第2話 ダイヤモンドの煌めき
ハードカバーの単行本は閉じられようとすると、ギチギチと鳴く
コロンカラン コロンカラン
ごくごく
からから
ことん
きゅ ぱーん
酒が私に溶けていく
少し暑くて息苦しい教室に入る。
ドアが引き戸なのも知らなかった教室。
私の四方から話し声が聞こえるなか、独りスマートフォンを両手で抱え音楽を聴く。
まるで誰かとLINEしているみたいに指で空気を切って、
いたたまれなくなってイヤホンの音量を上げる。
なんで独りぼっちになってしまったのだろう。
これまで友人関係に悩むことはあったけれど、あれとは違う。
冷たい冷蔵庫の壁際に放置された納豆みたいな、そんな孤独感。
身から出た錆だと思う。
いままで無意識に人を傷つけてしまったことや意図的にやった意地悪、ごめんねと私が見捨てた人からの罰が今、自分に返ってきているのだと思う。
そう思うことでしか今の自分を救うことはできない。
誰もこの孤独を救えない。
自分でしか慰められない。
ずっとこのままかもしれない
独りと一人
息苦しさと心地良さを反復して
心が薄灰色に染まっていく様子を感じながら
私は今日も眠る
明日を迎えに行って、今日を背中に流す
ベッドが柔らかいから涙を流せるんだ
冬用の布団が温めてくれるから部屋の電気を消せるんだ
もう給料いらないから帰らせて ここのつ @kokono2
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