第41話
「ふぁ……おはよー……」
「……おはようございます」
翌朝。
嫌な目覚めと共に、重々しい気分の僕とは裏腹に、能天気なお姉さんが眠そうに瞼を擦りながら挨拶を返してくる。
「ふぁ〜……朝ごはんどうしよ……カレーでいい?」
「あ、はい……」
お姉さんの問いかけに、僕はクビを縦に振り、2人でカレーを温めダイニングテーブルに移動する。
無言で黙々とカレーを口に運んでいると、お姉さんが声を掛けてきた。
「どした少年? 元気ないじゃん? 昨日疲れちゃった?」
「あ、いや… …」
僕の顔を覗き込むお姉さん。
一瞬言葉に詰まるも、どうせいつかは話さなきゃいけないので、僕はお姉さんに事情を話すことにした。
「え? うちに頼り切るわけにはいかない?」
「はい……お姉さんに沢山もらってばかりでも、僕、何も返すことができないから……」
「だから?」
「だから、ここに居るべきじゃないんじゃないかって……」
「…………」
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