第32話
「うひゃー!やったー!一位だー!ふへへ見たかー!私のドライビングテクを!不死鳥のような巻返しを!」
「…………」
「…………あっ。えへへ、ご、ごめんね?つい夢中になちゃって……」
「……いえ」
よくわからないレーシングゲームについて、お姉さんが教えてくれると、お姉さんが絶対に勝たせてくれると、そう約束してくれたから、僕は安心してハンドルを握った。
しかしどうだろう、実際に始まってみると、全然話が違うじゃないか。
いいや、最初こそお姉さんは丁寧に操作方法を教えてくれて、僕が勝てるようにアシストもしてくれた。
お姉さんのおかげで、少しは楽しいなと、そう思えた部分もあった。
けれど、レースも終盤に差し掛かると、お姉さんの様子は急変。
謎の緑の甲羅を3回、赤い甲羅を2回、翼の生えた青い甲羅を1回僕に放り命中させ、人間業とは思えないドリフトを駆使ししてぶっち切り、見事1位でレースを終えた。
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