第31話
「はい! じゃあまずはここ!」
妙なテンションでお姉さんが指を指す先には、複数の電子筐体が並んでいた。
お姉さんが遊び倒す為に最初に選んだ場所、それは……
「ゲームセンター! どんどんどんパフパフ!」
「すごいはしゃぎようですね……好きなんですか?」
「そりゃね。数年前まではほぼ毎日ように通って……あ、違う! ほら、小学生男子ってゲーム好きでしょ? だからこれは君のため……そう、いわゆる接待なのだよ! ふへへ!」
「盛り上がってくれてるところ大変申し訳ないのですが、僕、あんまりゲームってやったこと無くて……」
「え」
「それに、あんまりうるさい場所も好きじゃなくて……本屋とかの方が……」
「……ま、まぁまぁ!ほら!人生何事も経験だからさ!ほら、このレースゲームとか楽しそうだよ!」
「いや、別に……」
「……あ!?ま、間違ってお金入れちゃった!まいったなー!もう始まっちゃうよ!ほら、勿体無いから君もやろ?もったいかないからさ!」
「え、いや、僕やったことないから無理ですよ……それに、よくわからないですけど、この返金ボタンってのを押せばお金帰ってくるんじゃ……」
「お願い!絶対に君の事勝たせるから!悪い思いはさせないから!一回!先っぽだけでもいいから!ね!騙されたと思ってやってみよ!」
「わ、わかりました……」
お姉さんの必死のプレゼンに折れた僕は、渋々席に座った。
僕を楽しませたたいと言っていたお姉さん。
でも、この人……絶対自分がやりたいだけだ……
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