第28話

「ねぇ〜いつまで拗ねてんの〜?いいじゃんか店員さんに笑われたって!」


「だって…」


「美味しかったでしょ?お子様ランチ……ぷっw」


「…………」


「ご、ごめんって!……でも、美味しかったでしょ?あそこのお子様ランチ?」


「……はい、美味しかったです」


「でしょー!いやー!君も絶対好きだと思ったんだよねーあの店!」


「……連れて行ってくれてありがとうございました。ご馳走様さまでした」


「ん?ちゃんとお礼言えて偉いね。また行こう……次は何食べ……ぷっ!」


「また笑って……もう嫌だー!」




 食事を終えて帰路につく僕とお姉さん。


 お姉さんは僕が店員さんに笑われたのを気にしてるのが可笑しかったみたいで、あれからずっと笑っていた。


 気にしなくてもいいじゃんとお姉さんは言うけれど、思春期の僕からすれば只事ではなかった。


 おまけに、綺麗な高校生のお姉さんに笑われたとあっちゃ、気が気ではない。


 ちなみに、アルバイトのお姉さんにはお会計の時にも笑わられてしまった。


 美味しいお子様ランチ食べれた幸せがなければ、僕の精神は今頃崩壊してしまっていただろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る