第24話

「へへへ、ウチ、昔っから寝相と寝起き悪いんだよ〜」


「笑い事じゃないですよ……僕、本当に締め殺されると思いました……」


「何それウケる」


「ウケません!」


「お、怒んないでよ〜悪かったって〜」




 それからお昼くらいまで抱き枕にされた後、ようやく目を覚ましたお姉さんから即離脱し、こうしてリビングで説教する事15分。


 ヘラヘラしているお姉さんを強めに叱ると、少しだけしゅんとしてしまったので、後ろめたさを感じた僕は慌ててフォローを入れる。




「つ、次からは気をつけてください……」


「……うん、ありがと。へへへ、君はやっぱり優しいな〜」


「……」




……前言撤回。


 このお姉さん、全く反省していない。


 次やったら、児相に駆け込んでやる……




「ていうかもう昼か〜、ごめん、お腹すいたよね?」


「あ、大丈夫ですよ。僕、両親に忘れられてご飯食べ損ねる事とか多かったので、空腹には慣れてますから!」


「………………」




 お姉さんを心配させないために、胸を張って大丈夫と、そう言った。


 けれど、僕の予想とは裏腹に、お姉さんの顔はどんどん曇り、怒っているような表情になった。




「……お、お姉さん?」


「……顔洗って服着替えてきな。ごはん、外に食べに行くよ」


「えっ、いや、僕、あるもので大丈夫……」


「ダメ。君が好きなもの、お腹いっぱいになるまで食べてもらうから」


「な、なんで……」


「なんでも」




 何故か、不機嫌そうにそう言うお姉さん。


 どうして不機嫌になったのかはわからないけれど。


 お姉さんは、怒ると少し怖い……

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