第22話


 小鳥の囀りと、カーテンの隙間から差し込む光に照らされて、僕は目を覚ます。


 なんだもう朝かとひとりごつを言い、背伸びをしながら起き上がる。


 眠い目を擦りながら、隣を見る。


 そこには、布に包まれた人間が一人。


 お姉さんが、僕の布団や毛布を全て奪い取って、気持ちよさそうに寝息を立てている。




「……さむっ」




 僕はそう、また独り言を言った。


 ……そうだ、昨日の夜、僕はお姉さんに締め落とされたんだった。


 そもそも、僕が寒くないように毛布を持ってきてくれたはずなのに、それを奪うどころか締め落とすなんてこの人は何を考えているんだろう。


 無性に腹が立ってしまった僕は、行き場のない怒りをお姉さんから毛布を奪う事で解消しようとした。




「えいっ!  …………うわっ!?」




 けれど、毛布と布団を剥ぎ取り、すぐに元に戻す。


 どうしてそんな事をするのか。


 それは、そうするしかなかったからだ。




 具体的に言うと、お姉さんが何も着ていなかったからだ……

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