第15話
確かに、お姉さんの言う通り、ここを出てどうするのかなんて考えもつかないし、実際に出て行ってどうにかできる可能性は限り無くゼロに等しいだろう。
子供の僕にできる事なんて、たかが知れているからだ。
ここに住まわせてもらうのが一番の得策だろう。
けれど、本当に良いのだろうか。
こんな得体の知れないお姉さんと【家族】になってしまっても。
お姉さんは悪い人ではないのかもしれない。
それでも、僕に執着する理由すらも分からない人と一つ屋根の下で一緒に暮らすのは、子供の僕には抵抗があった。
それに、これ以上お姉さんに迷惑をかけても良いのかと、そんな良心の呵責にも悩まされていた。
そうしてどっちつかずになって、何も言えずに固まってしまっていると、不意に、お姉さんが僕の右手をつかみ、自分の額に当てて呟いた。
「お願い……」
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