第10話
大声をあげて飛び起きると、見慣れない部屋の中に僕はいた。
どこだここはと、そう寝汗を拭いながら考えていると、そっとドアが開き、誰かが僕に声をかけた。
「あ、起きた〜?」
気怠そうで、能天気な様子の甲高い声。
その声のおかげで、自分が置かれている状況の全てを直ぐに理解した。
あぁ、そうだった。
僕は借金の形としてこのお姉さんに売られて、何故か一緒にシャワーを浴びて、そして……
思い出して、赤面する。
今もまだ、お姉さんのアレの感触が……
「さっきはごめんね〜?調子に乗りすぎちゃった。でも君失神って……アハハ!漫画みたいじゃん?ウケる!」
「う、うぅ……」
「は! また調子に乗ってしまった……ダメだダメだ……あ、そうそう、おなか空いてない?」
「え、あ、はい、少し……」
「お、良かった。ご飯作ったから、冷める前に一緒に食べよ?」
「あ、はい……」
「よしよし」
寝起きのボヤけた思考のまま、僕はお姉さんに手を引かれ、食卓へ向かった。
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