第9話

 宙にふわふわと浮いている様な、謎の心地よさ。


 何かとてつもなく柔らかいものに包まれているような。


 まるで赤ん坊の時に戻ったような。


 そんな安心感と温もりの中に浸る僕。


 ここが天国だと言われても不思議じゃなかった。


 それくらいに、今、自分がいる得体の知れない空間を、僕は気に入っていた。


 でも、そんな幸せは長くは続かない。


 突然、今まで僕を優しく包み込んでいた柔らかい何かが、僕を押し潰してきた。


 重くのしかかる重圧。


 そうして押しつぶされた僕は、段々と呼吸が出来なくなって、最後には意識までもが……




「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

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