第5話
「ふぅ〜やっと着いた。ただいま〜……ん?どした?もしかして緊張してる?」
「あ、いえ…その…実は状況が飲み込めてなくて、少し頭がモヤモヤして…」
僕が黙り込んでいると、お姉さんが顔を覗き込んでそう聞いてきた。
少し心配しているように見えたので、愛想笑いを浮かべてそう返した。
お姉さんは嘘つきではなかった。
それなら、少しは警戒心を解いて、本音で優しく接してあげてもいいだろう。
昔から、愛想笑いは得意だ。
大人に気に入られるための術に、僕は普通の子供もよりも長けている。
そうしないと、だめだったから。
「あ〜……今日暑かったもんね!」
けど、お姉さんに僕の真意は伝わらなかったみたいだ。
別に暑いから頭がモヤモヤしているわけじゃないんだけどな……
「う〜ん……あっ!そだ!一緒に冷たいシャワーでも浴びよっか!」
「…………え? 一緒って……え、あ、ま、待ってください!」
伝わるどころか、何故かとんでもなく斜め上な提案をするお姉さん。
「いいからいいから〜ウチの言うことは絶対でしょ〜?」
「う、うわっー!?」
交渉の余地もなく、僕はお姉さんに脱衣所へと引き摺り込まれた。
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