第3話
「じゃ、行こっか!」
「あっ……」
しまったと、そう思った頃には時すでに遅く……
振り解こうとするにもお姉さんの力が強くて、僕の思惑は叶わない。
けれど諦めきれずに、藁にも縋る思いで、僕はお姉さんに聞いた。
「ぼ、僕はどこへ連れて行かれるんですか?」
「どこって、ウチだけど?」
「……ウチって言うのは、僕を買いっとった悪い大人の人達が沢山いるところですか?」
探りを入れるように、お姉さんに聞く。
すると、お姉さんは少し考え込んだあと、またへにゃりと笑い、僕に言った。
「何か勘違いしてるようだけど、君を買い取ったのはウチだよ?」
「……へ?」
「君のご両親の借金を肩代わりする代わりに、ウチが君を買い取りました!」
「お、お姉さんが……?」
「そうそう!だから、今日からウチは君の保護者で、君はウチの子だよ!」
「え、えぇ……」
「へへへ、今日からウチの言う事は絶対だよ〜?」
あまりの展開に、僕はまた言葉を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます