第2話 メンバー募集

うぅ...朝か...

いつもと変わらない朝

学校に行くだけの毎日

でも僕は高揚感を持っていた

そう! 昨日兄さんに昨日見つけたVTuberの勧誘をしていて貰ってたのだ! 兄さんは恐らく今日には返事が帰ってくると言っていた。

学校から帰ってきたら何人がグループに入ってくれてるだろうなぁ...


「弟よ~返事貰ってきたぞ!」


兄さん早いよ...まだ朝だよ...

でも待ちきれない!


「兄さん!結果は?」


「...結果を発表する」


あ、兄さんめんどくさいモードに入った...


「ではまず、鳥目カモメェ!」


「どっちだ、どっちだ」


「結果...拒否!」


「えぇー!?」 


「私はリスナーに歌ったみて投稿すれば? と言われて歌ってみたを投稿してここまで伸びたんです。ここまで私を成長させてくれたリスナーの皆さんを裏切りたくない...だってさ」


リスナーを裏切りたくない気持ちは分かるよ...僕、同接1人か0人だけど


「まぁ気にせず気を取り直して次ぃ! 山内タイヨウ!」


陽キャ女子だ!事務所内コラボとかも積極的にしてくれそうだから是非とも欲しい人材...


「結果...快諾! あの山犬アキタさんが所属する事務所に入れるなんて願ったり叶ったりっす! 是非入れて欲しいっす!...だそうだ」


おぉー!メンバー2人目だ!僕も入れて3人目か


「やったな! 真人! では最後!北王子白水だ!」


兄さんが本命と言ったんだ絶対入って欲しい!


「結果...承諾! 本人は....喋れもしない...私が....有名人...の...いる....メンバーの...一員...なっても...いいん...ですか? と言っていたけど、そこは俺が何とか説得した!」


兄さんファインプレー!


「しかしなぁ元々4人デビューにするつもりだったんだ。このままでは一人足りなくなってしまう。もうツテもないしどうしたものか...」


「兄さん! 僕がVTuberになるよ!」


そういえば兄さんには伝えてなかったな

元々僕が個人勢VTuberを辞めたくて始めたことだ。僕がならなければ意味がない!


「経験者でないと厳しいぞ? この世界は。ただただ配信するのではなく、常に悪意に晒される。それに耐えられるだけのメンタルはお前にあるのか?」


兄さんは真剣な口調でそう言った。でも、僕も悪意に負けないという心構えでここまでやってきたんだ!


「兄さん! 実は僕もVTuberやってるんだよ!」


「....そうか、で? 登録者は何人だ? どういう実況をしている? ガワはどんなのだ?どんな声でやっている? PC等周辺機器のスペックは?」


「兄さんそんな一気に聞かれても...えーチャンネル登録者数は7人...ゲーム実況、イケメン高身長のガワだよ! だからイケボでやってる! PCとかはお年玉で買ったやつだからあんまスペックは良くないね」


「...?お前のその声で登録者7人....?5000人は越える声してるぞ。普段どんな配信してるんだ?ちょっと見せてみろ...」


ぇーほんじつ...っていく...はこ..らの...ゲー


「なんだこの掠れた声、しかも聞き取りにくいし」


「いや、イケボにしようとして...」


「お前にイケボは向いてないんだよ。その高い声では無理なんだよ...」


なん...だと...僕の声でイケボは無理だというのか...だとしたら僕のイケメンになってイケボでASMR配信をするという夢は...


「残念ながらお前がやるとしたらこの声もこのガワも使えないな。ようするに転生しろと言うことだ」


転...生じゃあ今まで応援してくれた人達を捨てるってこと...?


「兄さんも転生して今まで応援してくれていた人を捨てるの?」


「真人、俺は転生はしない。そのまま山犬アキタとしてグループに入る。今までの知名度も相まって注目されるからな」


まぁ兄さんはそのままの方が知名度もあるし、いい宣伝にもなるからそのままの方が良いよな。


「まぁ俺が他の事務所に入りたくなかったのは転生させられるかもしれないし、契約やらなんやらめんどくさそうだったからな...だったら自分が建てようと思ったんだ」


兄弟は似た思考を持つものなんだな... 


「そういう真人はなんのためにVTuber事務所を建てようと思ったんだ?」


「僕が事務所に入るためだよ。どこの事務所にも落ちたからいっそのこと自分が作ろうかなって」


「無計画過ぎないか...俺、人選間違えたかな...」


無計画と言われたらなにも言い返せないな...演者のアテもなければ資金もない。

全てのことを兄さんに頼っている状態だ。こんな状態で事務所なんて建てられる訳ない。

兄さんがやってくれてラッキーだったな


「次は事務所だな...事務所に関しても俺が何とかしよう。演者には基本家で配信して貰って公式配信とかは事務所でやるか」


「なら事務所は都心に買うの?」


「いや、都心に借りるよ。交通のこともあるしそうしようかなと」


「そんなお金どこから湧いてくるんだよ...兄さん」


「Vの収入で株やってちょっとね」


株って...どんなに稼いだんだよ。兄さん  こんなにして貰って兄さんには感謝しかないね

僕これ傀儡にされても文句言えないぞ...


「ということで即行動だ! 時は金なり! 行ってくる!」


あぁ...また行っちゃった

兄さん久し振りにこんなに張り切って物事に取り組んでるなぁ...前にこんなに張り切ってたのはいつぶりか...


さて、僕もまた事務所建てるのに必要な物とかを調べますか

そうだった、学校に行かなければいけない。今日は昨日みたいに幸せの日曜日なんかじゃないんだ。

そういえば兄さん僕を連れていかず事務所借りに行っちゃったじゃん。

僕が見てないけどいいのかな?

殆どなにも考えてなかった僕が言うのもなんだが...不安だ








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