第弐幕 第二試験
やってまいりました第弐話。皆さんこんにちはこんばんは、天の声です。第壱話でさっそくこの物語のヒロインの一人が登場しました。アキラとヒジリ二人ともフルネームで名前を書くと荒神聖と書くので作者にこれはどうなのかと聞きましたが、特に理由はないそうです。
今回は第二試験で実戦でのアキラの強さを表現するためにかなり力を入れるそうですので、ぜひ読んでください。
それでは、はじまります。
試験官の案内に従い、アキラは試験会場へ到着した。試験会場は体育館くらいの広さの空間に、小さな岩山を人工的に再現したような形になっている。そこの中心に、長身の老人が、目をつむり瞑想しながら待っていた。岩山に、亀裂や刀傷のような跡があったため、場所を使いまわしているのだろう。
そんな、試験場へのアキラの反応はというと‥‥‥。
「お~‥‥‥スゲー。」
だけである。
いや、うん‥‥‥すごいんですけどね?なんかもうちょっとほかにないんですか?
‥‥‥コホン。
すごすぎて語彙がなくなったということにしましょう。
気を取り直して、アキラは特に躊躇う理由がないので真っすぐ瞑想している試験官のもとへ向かう。アキラの気配に気づいたらしい試験官は、そっと目を開く。
† † †
ワシの名は、
「‥‥‥こいつやべぇ…。」
と、思わずつぶやいてしまうほどに。
いや、ホントにこいつはヤバイ。本当に受験生か?と、思ってしまうほどに‥‥‥。身にまとう雰囲気から感じ取れてしまう‥‥‥いや、
だが、この少年
まあ、長々と説明しているが何が言いたいかといえば、こいつやべえということだ。
何こいつ、ものすごくこの場から逃げ出したい。そしてもうこいつが首席でいいんじゃね?と思ってしまった。
† † †
‥‥‥なんだか、割り込みをされた気がしますが、気を取り直して‥‥‥アキラは試験会場に入る前にもらった模擬刀を構える。
「‥‥‥構えたな。」
「‥‥‥。」
「よい、どこからでもかかってきてよいぞ。」
試験官の老人コテツは、こいつヤバイ的なことを言っていたが、現在の心情はというと‥‥‥。
(うおー!言ってしまったぁああああああああ!ワシ、さっき自分でやばいって言ったのに、しゃあないんじゃよおおおおおおお!上司にはそう言えといわれとるんじゃしよおおおおおおおおお!!)
と、言う感じである。自業自得である。
そして、それを聞いたアキラは、
「‥‥‥はい。では、お言葉に甘えて。」
「‥‥‥。」
(頼む!甘えないでくれえええええ!)
そうして、始まった刀剣科第二試験ベテラン剣士刀川狐鉄との実戦形式での立会。
「フッ!‥‥‥。」
「ぅおっ‥‥‥?」
アキラの上段から下段への高速の斬り下ろし。
アキラとコテツは会話ができるとはいえ二〇メートルほどの距離があった、その距離を一息で詰めのに、かなりの速度と跳躍力が必要になり、その速度で放つ斬撃は、大袈裟に聞こえるが音速を超えている、超えてしまっている。そんな、速度で出すインパクトはかなりの威力だろう。それ以前に、早すぎて受けることすらできないだろう。
それを、コテツは長年の勘のみで、受け止めて見せた。最初の速度と衝撃にこそ戸惑ったが、鍔迫り合いを続けると、力自体はそこまで強くないことに気が付く。
そう、アキラはコテツの想像通り技量や実戦経験こそ豊富だし動体視力や反応速度も同年代の男子と比べると並外れているがそれでも、あくまで技量や瞬発力が異常というだけで腕力や脚力等の全体的な筋力は逆に並外れて弱い。老いて全盛期ほどの筋力がないコテツでも受け止められるほど、それはもう笑えないほどに、それはもう泣きたくなるほどに、弱いのだ。そのためコテツは、
(あれ、こいつ技量とかは異常だが、基本的な筋力自体はめちゃくちゃ弱いな。これは‥‥‥いけるんじゃね?)
と、思うのも当然なのだ。
「‥‥‥ふん!」
「おっと!‥‥‥うーん、やっぱ
「なんじゃ、自分の欠点には気づいとるのか。」
「まあ、今まで足りない筋力を技術と速さでごまかしてきましたからね。そこは意識してやってきたので気づいてますよ。」
「そうかい‥‥‥じゃあ、次はこちらからゆくぞ!」
そうして、コテツが放った攻撃は、さすがにアキラほどではないが、本当に年寄りなのかと疑いたくなるほどの速度で中段からの突きを放った。形だけ見れば、単純な突きだが、
「⁈」
(何だ?この突き‥‥‥感覚が狂わされる‥‥‥。)
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