第11話幕は壮大に閉じるもの

──────で?なんなんですかこれ。


私は溜息をつきながら先程意味深に出てきたヤツの亡骸を見る。


なんか強そうな気配でも無かったし1発ぐらいは耐えるだろうと思いながら打ち込んだ魔法でワンパンだったので


天地を開闢せし霊光アストラル・カノン


私はルルナル跡地を吹き飛ばす。

驚く隣の人を無視し、さらに続けて


反転する世界の理リバースワールドオーダー


この呪文により、本来のこの世界のあるべき姿が顕になる。


……そこには、ルルナルがあった




つまり原理はこうだ。地下世界とこの地上世界をひっくり返して、因果を反転させて生み出したのが先程の地獄のような場所。

そしてその中間地点にあったもの、つまり魂だけの存在が半強制的に肉体を取り戻したのが先程の気持ちの悪い物体。


そしてひっくり返ったことで世界の理が壊れたものを私が修復したのが今のあれ。


そのことを説明すると、さすがに困惑してはいたが、ある程度納得はしてくれたようだ。


「あ?あの〜?あの……私の事忘れてませんか……?」


ネロと言う女に構っていたらなんかさっきから意味深な感じでそこにいた彼女の妹とやらに話しかけられる。


「?!そうだあんた……なんで無事なの?」


「ェ、えーっと……その、あれ?あたしなんでこんなとこにいるんだろう……あはは……?」


私はゆっくりと近ずきながら

「大丈夫?記憶取り戻すための薬とかなら山ほど在庫あるけど」


私が近づくとものすごい勢いで距離を取られた。


ふむ?なにかしてしまったのだろうか。

もしかして先程のなのぞの男はこいつを使って何かをしようとしていた……?


と次の瞬間、その女性の身体が光、


「全く地表の掃除をしてこいと言ったのに何故していない!……」


まあ見た目にして往々に天使である。


悪魔の国から天使が舞い降りる。意味がわからないがたぶんそういうことなんだろう。


「まずはこの地表を一掃してからだな……光よ!」


「あ〜いや、一旦落ち着かないですかね?……闇よ」


放たれた光を闇で中和し私はその天使に向かって話をする


「誰だ貴様!……この国は今、悪魔の国になっている…………あれ?」


「あ〜悪魔の国の状態、解除しときましたよ?」


「あ、そうですか……すいませんなんか早とちりしてしまって……あ〜なら国民起こしときますね……」


「あ〜助かります。こっちだと手加減できないんで、あ、それで……」


「あ〜いやいや、すいません。ルルナルってのはふたつの面を併せ持つ国なんですよ……実は、何百年に1度天と地がひっくり返り、悪魔の国になる予定なんですけど、それがもう終わったみたいなので……」


あ〜なるほど。なんか余計なことした気がするなぁ……まぁいいか。


そうして、いきなり始まったルルナルでの物語は一瞬で幕を閉じた。


とりあえず今回の収穫は、ルルナルの天使と仲良くなったこと、ネロというシスターから内部情報を仕入れれるようになったこと。である。



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