第12話騎士団長の苦悩
眠い。
いや、すごく眠い
騎士団長ってこんなに大変だったっけ?……私はあまりの眠さにふらふらとしながら自室に戻る。
……多分原因ははっきりわかっている、あの男だ。
あの男、オスカーとか言うやつ、あいつが来てから毎日が死ぬほど忙しくなった。
あいつとの思い出を思い出す。
──────「失礼、この王国の強化をするべきだと思いますが……?」
思い出している最中に入ってくるな。頼むから……
「ああオスカー殿……申し訳ないな、こんな恥ずかしい格好で……」
私は最早プライドのへったくれもないすごい格好だった。
制服を脱ぎ捨てて半裸のままというね。
……何か言って欲しい。なんか見てはいけないものを見たかのように目をそらさないで欲しい。
……私だって乙女だ。
──────「なるほど、それは大変でしたね……と言うかいつの間に他の国に?」
どうやらオスカー殿は昨日ルルナルを救ってきたのだとか。
いやいや、意味がわからない。
──────「あなたは……あなたという人はどうしてこうも問題を見つけては速攻直していくんだ……」
私はその場を去ろうとしているオスカー殿にそう尋ねた。
するとオスカーはにっこりと笑ってこういった。
「───世界を平和にするためですので」
パタンと閉じる扉を眺めて私は
はぁ……と深いため息を着く。
いつからか私はため息を着くようになってしまったのだな……
この前だって同僚から老けた?なんて聞かれてしまった。
全く、私はまだまだ若いと言うのに……
私はベッドに横になりながら考える。
……オスカー殿を信頼していいのだろうか?と。
彼は確かにこの国をあっという間に建て直した、言ってしまえば……ヒーローだ。
だが、あまり転生者にかかわらせるのは得策では無い。
事実、他の国において、異世界からの転生者が政治を半ば乗っとる形になっているところもある。
……それはまさに侵略者に家の鍵を渡すという愚行だと、昔キレたというのに。
……いつの間にか人の価値観は変わるのだな。
私は気がつくと目を閉じながら深い眠りに落ちていった
△▽△▽△▽
……騎士団長、ヴァイン……彼女はかなり面倒だ。
さっさと始末すべきなのだろうが、それをしてはただの戦乱の種をまくだけに過ぎない。
全くめんどくさい任務だぜ、騎士団長を殺すなんてさ……はぁ、全く
でも、もうすぐ毒が回っていくら騎士団長とはいえ呪いには対抗できないようだな。
──────「それは良かった……では君に救いを与えよう」
え?
突然後ろで物音がしたと思った途端、目の前が急速に真っ暗になっていく。
何が……か、かはっ……
意識がどんどん消えていく……一体、な何が……
◇◇◇◇◇◇◇◇
まぁこんなとこでしょう。
私はスパイをしていた男を
まぁ騎士団長を暗殺するのは簡単でしょうが、それをされると私が困るんですよね。
実は、騎士団長は夢の世界にかなり干渉できる力があり……
国の下にいる悪魔たちを無意識下で狩っていてくれているのだが、まぁ本人は知らないだろうな……
最近悪魔が増えたから彼女が疲れた様相になっているのだろう……
今度、ご飯でも奢ってやらねばな
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