2019年9月15日

 ベッドで横になっている。両隣にもベッドが並んでいるが無人だ。左隣のベッドの奥には仕切りがあり、仕切りの向こうにもベッドがずらりと並んでいるのが見える。向こう側のベッドには中学高校の知り合い横になっていたので、私は集団で健診でも受けているのだろうかと思った。しばらく携帯で動画を見ることにする。西欧の中年男性と青年がある屋敷に滞在するが、その屋敷にはお爺さんの幽霊が住んでおり、最初は滞在者と対立するが時が経つにつれ和解する。と思いきや、最後には青年を取り殺すという内容だった。終盤でお爺さんは青年の頭の中に拳銃を見つける。お爺さんは青年が自分への敵意を捨てきれていないのだと思い、青年の後頭部から拳銃を抜き取りショック死させたのだ。その後、お爺さんは青年の身体に乗り移り、中年男性と屋敷をあとにする。

 そのような動画を見ていると夕食の時間を告げられる。食事は下の食堂でとることになっている。建物の一階の大部分は木造のテラスカフェで外側にまで突き出ている。外から入ると地下に続く階段が正面に見えた。階段脇の壁にはパブやクラブの張り紙があったので地下は酒場になっているのだろう。私は階段の左側を通って奥に進む。カフェを抜けると食堂に出る。食堂はファミレスのような内装で私のような患者でごった返している。私は空いているテーブル席につく。途中何人かと相席したが誰だったか覚えていない。最後に相席したのは先輩だった。私はここがどこなのか尋ねる。彼は病院だと答える。なぜ私が病院にいるのか尋ねると、昨晩救急車で運ばれたのだという。サークル活動の後、飲んでいたら私が腹痛を訴えて倒れたらしい。そして検査で珍しい腸の病気にかかっていることが判明し、緊急手術が行われた。手術は成功したので私はまもなく退院できるだろうと彼は言って帰っていった。私はベッドに戻る。

 気が付くと教室にいる。夜なのに電気がついていないのでとても暗い。各机には患者の体調回復の進捗状況を示したカードと夕食が置かれている。自分の机に座ると退院のカードが置かれている。私は夕食を食べたら出発しようと思い食べ物を手でつかむ。近くにいた幼馴染も同じことを考えているらしく、私たちは笑いながら目配せする。外に出ると目の前に大通りが走っていた。深夜なので人も車も通っていない。しばらく歩道を歩いた。そのうちお金をおろす必要があるのに気が付く。そこで私は近くのATMに寄ったが、これは電源が落ちていた。その隣の郵便局に入ると若い執事のような男がATMの横に控えている。男は私を見ると開店まであと二十分あるが予約していくかと尋ねる。私がうなずくとATMの向かいに置かれた機械を指さす。私は機械で受付時間を予約する。このようなシステムをどこかで見た気がするがどこで見たものか思い出せなかった。

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