≪暖炉の聖女≫VS≪冥府の花嫁≫2
何かあれば率先して問題を解決し、生徒が困っていることがあったら、しっかりと相談を受ける。それが、河合佳純にとっての理想の教師だった。
そんな河合佳純が、共感性羞恥に襲わせながらも、視聴者たちの悩みを解決することのできる≪
≪
現実世界ではただの一教師。自分はこれだけの信者を抱えることなどできないし、ましてや助けるなんてことはできない。
そして、≪
このままでは≪
”≪
もしかしたら、≪聖戦≫を引き起こして≪
「≪
≪
「まず第一に、我が臣下である≪
流石の一言だった。現実世界の私はモテる。そんな私を余裕を持ってフる態度に余計に惹かれてしまった。
「だが、≪
”≪
”≪
≪
”流石、≪
”これで垢が停止させられて、また質問ができなくなるな(笑)”
”≪聖戦≫勃発(笑)”
”後、月ってなんですか?太陽じゃダメなの?”
”無粋なこと言うな!”
その後のことは覚えていない。だけど、尊敬する≪
それ以降、私は最高の教師として数々の生徒から愛されるに至った。
━━━
「まさか、旭君が≪
「いえ、そういうのはいいです」
「あっ、そう…」
(お仕置きをしないって言ったのに、なぜ落ち込んでいるんだろう)
それにしても佳純先生が≪
(だけど、僕の担任だとは思わないだろ…)
テキトーに言ったのに本当に運命の女神が僕と≪
(詩、愛莉と来て、佳純先生…はは、もしかして、他の≪
旭がフラグらしきものを立てた後、詩が口を開いた。
「それじゃあ帰りましょう。0点なんて国民的な青たぬきのアニメ以外で見たことがないわよ」
「面目ない…」
「いいのよ。旭がダメであればあるほど、私に依存するしかないから」
「全力で学力を上げる努力をします」
詩が笑顔でダメ人間でいてくれなんて言ってきたので、全力で拒否する。だけど、僕程度のスペックでは詩の言うとおりになりそうで情けない。
「≪
「おい教師」
「それなら私も留年するわよ?旭と一緒に死ぬまで、青春を過ごせるなら悪いことではないかもしれないわね。ふふふ」
「ふざけんな!というか二人とも僕を馬鹿にしすぎだろ?」
「「?」」
(そんな当たり前ですけど、みたいな顔をしなくても…)
僕は本当にダメな男らしい。確かに卒業できるかと言われたら、僕も自信がない。というか一番得意な現代文が0点の時点でいろいろ不味い。
「≪
「最悪の権力者ね。それなら次回のテストからわざと旭と同じ点数を取るように頑張るわ。白紙で出せばいいんでしょ?」
「舐めんな!?」
ドヤ顔で言う詩に僕は全力でツッコミをいれる。しかし、この二人は僕を無視して会話を続けた。
「白紙でだしても100点にしてあげるよ?よかったね!その代わり≪
「もう嫌だ…」
佳純先生がこんな人だとは思わなかった。あの優しい先生が≪
「私は≪
「はっ、バーチャルの世界でしかマウントがとれない情けない小娘に≪
(うん。逃げよう)
僕は幼馴染と先生が戦っている最中抜け出した。二人とも≪聖戦≫を始めた瞬間、僕のことなど忘れていた。本当に僕のことが好きなのかと疑問に思ってしまう。
下駄箱に行き、靴を取り出す。そして、少しだけ小走りで校舎を出た。これで≪
「配信に集中しよう」
僕がそう決めた時、校門の前に人だかりができていた。僕にはどうせ関係ないことだから、流そうと思っていた。けれど、
「あっ!≪
校門のところでずっと正座待機していた≪
いつからそこで正座をしていたかなんて聞くまい。注目を集めまくってる時点でその質問は無意味だ。
周りの人間は美少女が『アーサー王』に抱き着いたということで視線が鋭くなった。
「あいつ、中学生にまで…」
「ヤバいな…」
「うらやましいいいいいい!」
「お前も同類かい!」
(もう死にたい…)
僕は何もしていないのにヤンデレ共が僕の生活をぶっ壊してくる。
「≪
「前向きに検討します!」
「実行してください」
「来年あたりになったら再考するね!」
「もう嫌だ…」
家に帰っても≪
(お母さんに言って、一人暮らしをさせてもらおう…)
僕は本気でそう思った。
ちなみに次の日から僕のあだ名は『鬼畜ロリ王』になった。
━━━
「≪
「知らないわよ。それじゃあさようなら。私は≪
「車に轢かれちまえ」
「教師失格ね」
そういって詩と佳純が別れた。
その影でずっと聞き耳を立てている者がいた。宮下あかねだ。佳純に用があったあかねはずっと学校内を探していたのだが、全然見つからなかった。しかし、見つけたかと思ったら、二人が口論をしていた。
≪
「先生が≪
そして、あいつが…
「ううん!まだそうと決まったわけじゃない!ごっこ遊びの可能性もあるし!」
しかし、オセロがひっくり返るように疑心が核心に変わっていくのを感じていた。
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