2023/10/21の投稿・椿象との思い出(小学生編)

こんばんは。カメリアです。

秋も深まり、というか寒すぎて秋飛ばして冬になった感じがします。

職場の先輩にそう訴えたところ、無表情で


「冬の寒さはこんなもんじゃない」


と言われました。今から震えています、恐ろしくて。皆様もお風邪など召されませんよう、お気をつけ下さいね。


さて、先取りして冬の思い出などを一つ。


あれは、私がまだ小学生の頃。

大晦日に大掃除をするというイベントがありました。わざわざ冬に悴む手で掃除しなくても、なんて今なら思うのですが、当時、母の決めたルールは絶対でしたから。

姉弟で、寒い、寒いと言いながら、ベランダの拭き掃除をしていました。

弟は窓の棧を、私は雨戸を拭いていました。


家の雨戸は、アルミが波打った形の、引戸タイプで、母からは


「このナミナミの一筋ずつ、しっかり拭くように」


と指示されていました。

指示通り一筋ずつ雑巾で拭いていた私は、あることに気がつきました。


雨戸は波板を枠にはめてあるタイプなので、枠に板が接している部分に1cmくらいの窪みが部屋側と外側に交互にできていました。

その部屋側の中段あたりの右側の窪みに二つだけ、白っぽい金具らしきものがついていました。


なんで真ん中だけ?

と、一瞬疑問が過るも、気にせずその金具の部分も軽く拭いて、左側を見ると金具は一つしかありませんでした。


「ねえ、これ金具とれちゃってるかも」


そう、弟に言うと、まじまじとその金具を見つめて


「姉ちゃん、これ、金具じゃなくて虫じゃない?」


と言ったのです。


私は、こんなにぴったりハマってるのに何を馬鹿なことを、と半分本心で、半分祈るような気持ちで弟に言いました。すると、信じてもらえなかったことにムッとした弟が、棧の掃除に使っていた竹串でその金具らしきものを外しました。


「……ほら! やっぱり虫じゃん!」


 弟の掌に置かれた金具、改め、エメラルドグリーンのそれは、紛うことなくカメムシでした。


 さっきそれを雑巾で拭いたことを思い出し、殺人現場を見た時のヒロインばりの悲鳴をあげた私に、すっとんできてくれた母も、弟の掌を見て同じくらいの悲鳴をあげたのでした。


 何故あそこにいたのか(冬眠?)、いつからいたのか不明でしたが、三匹中二匹はすでに死んでおり、一匹は辛うじて生きていたそうでしたが、動きは鈍かったそうです(弟談)。


今住んでいる家の雨戸はシャッター型で、窪みがなくて良かったなあ、と掃除をする度に思うのでした。

------

【この記事のタグ】

>思い出 >トラウマ >椿象 >掃除

------

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る