雨が止む

第7話 おおぞらをとぶ




 レールガンの直撃を受け、全身がバラバラに消し飛ぶ感覚を覚えながら、アタシは思った。


 ああ、ここで、おしまいか。

 今までのアタシの人生って、ほんとうになんだったんだろうな、と。




 『赤い雨』が降り注いだあの日、アタシは怪人になった。


 怪人になった時、十歳だったアタシが最初に思ったのは、『やった!』という、文字通り、降って湧いた幸運への歓喜の感情だった。

 アタシは、自分が嫌いだったからだ。


 弱くて、醜くて、チビで、何よりバカで。

 いつも同じ学校の子たちにいじめられていた自分が、どうしようもなく、嫌いだった。


 いじめられた、って軽い言葉ではあるけど。

 その標的としてははたまったものではない。

 ──いじめの本質は虐げる事ではなく、奪う事にある。

 お金だとか、明るさだとか、楽しい学校生活とか、そういうレベルの話ではない。

 何より最も奪われるものが、尊厳だ。

 人間が生きていく為に最も必要なものであり、一度奪われたら、自分では回復できないもの、その尊厳が、奪われるのだ。


 なぜなら、尊厳とは他人に認められてはじめて承認されるものだからだ。

 例え自身に尊厳があると嘯いても、他人からの扱いが悪ければ、何の意味もない。

 自分の存在を、他人に認めてもらうこと。

 尊厳には、それが必要なのだ。


 そして、他者から尊厳を奪う事が出来るのはいつだって、強者だ。

 チビで弱いアタシは、アタシよりもずっと背が高くて、強い子たちに泣かされてばかりだった。


 大きいものは、こわいから。

 強いものは、こわいから。

 アタシは、強くも大きくもないから。

 どれだけ尊厳を奪われても、アタシは抵抗しなかった。




 ──いつからだろう。

 自分の存在の軽さを感じたのは。

 心に、雨が降るようになったのは。


 蜘蛛という生き物は、実は空を飛ぶ事が出来るらしい。

 存在たいじゅうが軽いため、自分の糸に捕まって、静電気と風の力で、高く、高く。

 空を飛ぶ事ができるのだそうだ。


 だったら、蜘蛛怪人になったアタシも、飛べるようになるだろうか。

 自分の存在の軽さを利用して、高く高く飛んで、雨雲の向こうへと、太陽の下へと。

 飛んでいってしまえば、この心に降る雨は、止むだろうか。




 はじめて殺した人間は、同じクラスのちーちゃん、はーちゃん、みっちゃん。

 みんな、アタシをいじめた子たち。

 怪人になったら、絶対に復讐してやろうと、そう思っていた子たち。


 この子たちを殺せば、きっとアタシの心の空っぽを埋める事が出来るはずだと、信じて。

 歯を折って腕を千切って足を捥いで目を潰して鼻を取って尊厳を殺して命を奪って、なにもかも殺して、なにもかも奪った。


 彼女達から全てを取り立てて、殺した感想は、『なにも、うれしくない』──だった。

 怪人になってアタシは、強くなって、大きくなったはずだった。

 でも、胸の中の雨が、晴れることはなかった。


 その後、アタシは人間の社会の影を這うようにして生きながらえた。

 連続殺人犯として指名手配を受けた為に自分の姿を隠し、時には人間を襲ったり奪ったり殺したりして、金品や寝床を確保しながら旅をし続ける、流浪の日々だった。


 とはいえ蜘蛛怪人の能力は凄まじく、人間はおろか、怪人同士の戦いでだって、アタシは負けなかった。


 アタシの力に惹かれて、カネ、名声、恋人。

 分かりやすく人の心の空白を埋めるものが、簡単に手に入った。

 『スキン』を着れば、信じられないくらい綺麗な美女にだってなれた。


 欲しいものは、なんだって手に入れることができたよ。

 (美貌、お金、名声、オトコ)。

 でも、ほんとうに欲しいものはなんだったかな?

 (かりそめの美貌、汚いお金、虚栄の名声、金で買ったオトコ)。




 たくさん悪いコトをして、たくさん奪って、たくさん手に入れた。

 でも、満たされない。幸せじゃない。

 雨が、止まない。

 だったら、今までのアタシの人生って、ほんとうになんだったんだろうな。




 アタシが怪人街に向かったのは、いい加減指名手配から逃げる事に限界を感じていた事もあるが、何より、この心の雨を晴らす、何かを求めての事だった。


 沢山の敵と戦って、勝ち残ってきて。

 例え世界中の凶悪な怪人が集う怪人街でも、やっていける自信はあった。

 この街で怪人達の頂点に立ち、そして、心を満たす何かを手に入れる。

 そして今度こそアタシは、幸せになるんだと。


 願いが断ち切られたのは、怪人街に入ったその日の夕方。

 アタシは、負けた。完全に、負けた。


 一番最初に喧嘩を吹っ掛けた相手があまりに悪かったのだ。

 たまたま喧嘩を売ったオトコが、後に怪人街の全てを牛耳る、怪人街最強のオトコだったなんて、どうして予想できただろうか?


 そのオトコは、アタシの血で汚れた服を部下に持たせて、立ち去り際に、道路に這いつくばる死にかけのアタシに声を掛けてきた。


「……弱いな、キミは。怯者きょうしゃを痛ぶるのは嫌いじゃないが、キミじゃサンドバッグにもならないね。命は助けてあげよう。ボクからの、哀れみのプレゼントだ」


 オトコは治療費だと言って、部下に、財布の中から札束をアタシの目の前に落とさせた。

 屈辱でしか無いのに、思わず手を伸ばして拾ってしまった、弱い自分が情けなくなった。


「……ああ、実にいいね。尊厳を失いながらも生に執着するその姿。キミのような怪人には、その姿が本当に似合っているよ」


 オトコは最後にそう言って笑って、アタシに背を向けて立ち去っていった。

 その背中に立ち向かう事も、引き止める事もできなくて。

 アタシは札束を握りしめて、虚空を見上げていた。




 ああ、その日も、雨が降っていた気がする。

 自分の強さに縋って生きてきて、それを証明するために怪人街に来たのに、自分はただのちっぽけな存在だって、いきなり思い知らされて。

 だったら、今までのアタシの人生って、ほんとうになんだったんだろうな。




 オトコに負けて、アタシは怪人街が怖くなっていた。あんな恐ろしいオトコがいる街に居たくなかったからだ。


 大きいものは、こわいから。

 強いものは、こわいから。

 アタシは、強くも大きくもないと、改めて思い知らされたから。

 怪人街を出ようと思うまでに、そう時間は掛からなかった。


 だが街を出た所で何処にも居場所は無い。

 そもそも外の世界で指名手配を受けているし、外の世界で満たされなかったからこそ、この街に来たのだ。

 そして心を満たす為の願いすら断ち切られたアタシには、もう、何も。なにも。


 怪人街と外とを繋ぐ運び屋のタクシードライバーになったのは、外の世界にも、怪人街にも、出来るだけ居たくなかったからだ。


 怪人街の外壁に広がる長大な荒野は、外の世界と怪人街を繋ぐ、世界だ。

 どちらの世界でも満たされなかったアタシにとって、唯一の落ち着ける場所が、ここだった。


 運び屋の仕事も、嫌いじゃなかった。

 乗客とする世間話は楽しいし、疲れてタクシーから降りた時なんかは、誰も居ない荒野の中は、叫び出したいほどの開放感があった。

 それに、建物一つ無い荒野の空はどこまでも広くて、近くに見えて。

 まるで、どこか、遠い所へ飛んでいってしまえそうだから。

 だからアタシは、荒野が好きだった。


 でも、毎日の仕事の終わりに……寝床につくために怪人街に戻るたびに、あの大きな外壁が見えると。

 あの日、オトコに理解わからされた記憶がフラッシュバックして、胸が苦しくなるのだ。


 大きいものは、こわい。

 強いものは、こわい。

 そこから離れられない自分が、嫌いだから。

 心が、軋む音がするのだ。




 怪人街にも馴染めず、外の世界にも行けない。

 心の雨は止まず、何処にも飛ぶ事は出来ない。


 ああ、ならば。それならば。

 今までのアタシの人生って、ほんとうになんだったんだろうな──。




「あっ……」

 雨粒が顔を叩いて、アタシは目を覚ました。


 仰向けの状態で、視界の先には分厚い雲がかかった、真っ暗な夜空が広がっている。

 雨は依然、止んでいない。


 後頭部にざらついた感覚があるので、今、アタシはアスファルトに寝ているのだろう。


 まだ、生きている。まだ、死んでない。

 昆虫怪人ムシマンの生命力に我ながら驚くが、身体を動かそうとして、気付いた。


 身体中がずきずきと、発狂しそうな程痛い。

 身じろぎ一つできないほどだ。

 ……いや、これは。

 


 目線を下に向けると、本来胴体がある筈の場所には、何も無かった。アタシは生首だけで、ギリギリ生きながらえていたのだ。


 遠くに胴体から千切れ飛んたと思われる右腕が落ちているが、まさか、先ほどやったように身体の断面から神経繊維を伸ばして、身体を繋ぎ直すなんて芸当、もはや出来そうもない。


「……ここで、アタシも終わりか」

 首から下が無いのに、まるでまだ肉体がそこにあるかのような、そんな激烈な痛みが、アタシの意識を刈り取っていく。


 これが幻肢痛、というものなのだろうか。

 視界の端が暗くなって、目が霞んでいく。


「おい、まだ生きているか?」


 その時、濡れた靴の足音と共に、あの男が現れた。男は腰を屈めてアタシの顔を覗き込んで来た。


 ──間近で見ると、本当に綺麗な顔をした青年だと思う。艶やかな長い黒髪を後ろで結び、切長の瞳は妖しい情熱を秘めて、輝いて見える。

 だからこそ、その顔に貼り付いたような、無愛想で目の据わった表情が惜しくなる。

 彼は、そんな顔をしていた。


 先ほどの闘いで捥げた機械腕肢マシンウデップシはいつの間にか装着し直したようで、破れた服の右袖は捨てたのか、銀色の機械の地肌を雨空の下に晒していた。


「……なに?今、身体中痛くてそれどころじゃ無いんだけど」

 痛みに苛まされながら返事をする。

「ああ、実はお前に確認したい事があるんだ。聞いてくれるか?聞いてくれるなら、痛みなく楽に死なせてやる」


 ──なんだ、こいつは。この期に及んでまだ何かあるというのか。こっちはアンタに、こんな目に遭わされて死ぬところなんだぞ。


 そう恨み言をぶつけても良かったのだが、すぐに考え直した。

 そもそも、アタシを殺さざるを得ない領域まで彼を追い詰めたのは、アタシだからだ。


 本来、彼にはアタシを殺すつもりは無かった。

 その事は、彼のこれまでの発言や態度で十分にわかる。

 無論、いきなり銃を頭にぶっ放されたのは心底腹立たしいが、右腕を切断された時に、戦いをやめ交渉する機会をアタシに与えたのは彼だ。


 その為に彼は自分の武器を捨てるほどの過剰なまでの譲歩をアタシにしたし、タクシーを返す約束まで交わした。

 あそこでアタシがクールダウンしておけば、こうまで殺し合う事は、きっと無かったはずだ。


 そして、その機会を台無しにしたのは、紛れもなくアタシだ。

 彼との約束を破り、殺そうとしたのは、アタシの殺意だ。


 ──だったら、最後に少しくらいは、お詫びのつもりで、話を聞いてもいいんじゃないかなって、思った。




「何よ?聞きたい事って」

「お前、あの写真の『男』はアリーナに居るって言ったよな。あれ、本当なのか?それとも、俺の注意を引く為の、嘘か?」




 ああ、あれか。

 確かに半年前、アタシは彼の言うところの、『男』を乗せて怪人街まで運んだし、アリーナに向かうという言葉も確かに聞いた。

 そう、本当だ。


 とはいえ、今も『男』がアリーナに居るかは怪しいし、何よりアタシは彼を騙して、一度は殺し掛けている。果たして、本当と言っても信じてくれるだろうか。




「……本当よ。確かに、そう言ったわ。アリーナに行くって」

「そうか、なら取引は成立だ……失礼」




 彼は、あまりにもあっさりとアタシの言葉を信頼した。

 そして、アタシの顔に手のひらを優しく置くと、


「……無刀・『鎮魂しずめたま』」

「いっ……」


 一瞬だけ、掌から電撃を発生させ、アタシの身体に流し込んだ。

 ピリリと脳を貫く電撃で、アタシの視界は瞬く間に暗転する。

 そして、視界がゆっくりと元の色を取り戻していく中で、驚くほどの変化が、アタシの身体に起きた。


「……痛みが、消えてる……?」

 先ほどまであった、アタシの意識を持っていきかねないほどの痛みが、完全に消えていた。


「電流で神経の電気信号を狂わせ、痛覚を消した。これで痛み無く死ねる。とはいえ、あまり長い時間はたない術だ。すぐに介錯してやる」


 彼は膝立ちの姿勢のまま機械刀マシンドスを抜くと、上段に振り上げた。

 まるで片腕が機械腕肢マシンウデップシとは思えないほどの、流麗な所作だった。


「ちょ、ちょっと……ちょっと待ちなさいよ」

「……どうした?刀じゃなくて、銃の方が良かったか?」

「そうじゃなくて!」


 これから死ぬというのに、思わず大きな声を出してしまう。

 だって、おかしいじゃないか。


「なんでアタシの言う事、そんなアッサリ信じるのよ。嘘を言ってるかもって、思わないの?少なくともアタシ、アンタを一回騙したのよ」


「仮にお前が嘘をついていても、俺に確かめる手段は無いだろ」


「それは……まぁ、そうだけど」


「だったら、とりあえず信じるしかないだろ。今のところ、あの『男』の情報のアテはお前しか居ないんだ。お前は本当の事を言った。そして俺は信じることにした。だから、約束通りお前を楽に死なせる。それだけだ」


 男はそう一気に言うと、

「話は終わりか?なら、早く刀を振り落とさせてくれ。蹲踞そんきょの姿勢で『千秋せんしゅう』上段に構えてるの、結構重いんだ」


 なんだか急に、やたら人間味のある理由で刀を振り落ろしたがる彼を、アタシは必死に声で制する。


「でもアンタ、アタシよりも強いじゃない。どうして強い奴が、弱い奴に、何度も譲歩するのよ……逃してやるだの、楽に殺してやるだの……どうしてそんなに、怪人に譲るのよ……剣士サムライのくせに……」


 疑問を口にする度に、無意識に声が小さくなる。自分の中の哲学が揺らいで、不安になる。

 だって、本当にわからないのだ。


 アタシの人生の中で、弱者に何かを譲ろうとする強者なんて、一人もいなかった。

 強者は奪う、弱者は奪われる。だから、強くて、大きくならないと、尊厳を失う。


 それが、アタシにとっての第一原則だったんだ。もし、そうじゃないなら、なぜこの男は、自分よりも弱い相手の為に、ここまで甘い態度が取れるのだろう。

 その答えが、知りたかった。


「勘違いするな。俺は怪人は嫌いだ。お前らのせいで今でも多くの人間が苦しんでると思うと反吐が出る。剣士サムライとして、俺には人間を衛る義務がある。お前らに譲る気持ちなんか、さらさら無い」

「だったら……」




「だが……怪人にも『尊厳』はあるだろ」




「……えっ」

 なんて。

 今、彼は、なんて言ったんだろう。


「人だろうと、怪人だろうと、善だろうと、悪だろうと。自らの手で戦う戦士には、尊厳があるべきだ。無駄に殺してはならないし、無駄に残酷に死なせてもならない。ましてやそれが……自らが手にかけた、とても強い戦士なら尚更だ」

「……アタシが、強い……?」


 鸚鵡返しになりながら、彼の言葉の意味を咀嚼する。彼は、このアタシを強いと言ったのか?怪人街にも、外の世界にも馴染めずに荒野に逃げた、この、アタシを?


「ああ。……今まで戦った相手の中で、三番目にはな。無論俺ほどじゃないが、アンタもそこまでになるには、相当な戦闘を積んだんだろう。それだけの戦士に、苦痛は与えたくない」




 蹲踞の姿勢で話し始めてから今まで、彼の声色は一定のものだった。にこりともしない無愛想な表情もそのままで、だからこそ逆に、彼が嘘をついているのでは無く、本心からそう言っていると、そう、確信出来た。


 ……雨が降っていて良かったと思ったのは、怪人になった、あの日以来だった。

 だって、この、目から溢れる不恰好なものを、雨粒に紛れて隠せるからだ。


 怪人として長い間生きてきて、自分の求めていたものが、人間に与えられるだなんて、考えた事も無かった。

 今まで生きてきて、はじめてアタシは、尊厳を認められた。

 それが、アタシのほしかった、ほんとうの──。




「ねえ」

「どうした?」

「……あの真っ黒な空の向こうの、おおぞらに……天国って、あるのかしら。あそこまで、アタシ……飛んで、行けるかな」

「さあな。怪人に天国なんてあるのか?」

「もう、つれないわね。……ねえ……最後に、教えてくれる?」

「……何をだ?」

「あなたの名前」

「……闇黒電剣流エレクトロニック・アーツ正統後継者、小田原スザクだ」

「……そう、いい名前ね。……スザク君、怪人街は……怖い所よ。どうか、気を付けて」

「ああ……もう、大丈夫か?」

「ええ。いつでも」


 アタシの返事を受けて、スザク君が刀を、素早く振り落とす。

 銀色の刃が、一瞬で眼前に迫る。


 身体をバラバラにされて、頭を割られて死ぬなんて、なんともろくでもない死に方だ。

 でも、これでいい。これがいい。

 スザク君がアタシを、殺してくれるから。

 アタシの尊厳こころを認めてくれたヒトが、アタシを殺してくれるなら。

 アタシは、それだ

          けで、    

               し    せ

     空     

             

 を         



                 飛


      






























 長く続いた雨は、止みつつあった。






 ─────────────────────

 脱字じゃなく、演出です。

 次回、世界観が分かってくる……予定です。

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