第217話 鑑定情報改竄
四聖獣の亀を倒し続けていたら、どれくらいの数を倒したか覚えてないけど魔力の上昇を感じなくなった。
魔力が上限まで上がったのかもしれない。
上限まで上がったから何だ?と言われたら、それまでだ。
ダンジョンに閉じ込められて2ヶ月以上も経って、いや3ヶ月は経った?分からない、食事をしなくなってから動くのさえ厳しくなっている。
やれる事はやった、後は死ぬのを待つだけかも。
俺がダンジョンに行くと言わなければ、他の4人を連れて来なければ、皆んなは死なないで済んだのにな。
誰も文句の一つも言わなかった。
責められないから余計に、皆んなには申し訳ない気持ちしかない。
自分じゃ動けないが、最後に皆んなと話して終わりたい。
力を振り絞ってホワタを呼ぶ。
『ホワタ!!!ホワタ!!!!頼む皆んなの所へ連れて行って欲しい』
微かな音がして、ホワタが俺の側に寄って来た。
『皆んなの近くまで運んで欲しい、もう立てないんだ』
何も言わずにホワタは俺を咥えて、皆んなの所へ運んでくれた。
センベーさん
「アイスさん、魔力上げは終わったの?」
『終わったよ、魔力はもう上がらないと思う、変な称号スキルは手に入ったけど、外へ出る方法は手に入らなかった』
センベーさんは、まだ元気そうだった。
返事は無いけどマンジュウさんも目を開けて、此方を見ていた。
清水さんとアケミさんは目を閉じて横になっている。
鑑定したらまだ死んではいない、でも俺より状態は悪そうだ。
回復魔法を使っても、寝たままだ。
あれ?皆んなを鑑定すると違和感に気付いた。
センベーさん
「皆んなが側にいるし怖くはないね」
「死んだらリスタートになるのかな?僕達の記憶は無くなってそうだけど」
「アイスさん??考え事?僕でもホワタは食べないよ(笑)アイスさん!?」
『いや皆んなを鑑定したら、前までは見えなかった皆んなのスキルスロットが見えてスキルを変更出来そうなんだ』
センベーさん
「どういう事?」
鑑定すると皆んなのスキルが分かる、それは今までと同じだけどスキル名が線で囲まれている。
囲み線の中のスキルに視線を合わせると、AR表示で鑑定横に大量のスキルリストが出てきた。
これって皆んなのスキルを変えられる?
センベーさん
「それって、それってさ、此処から脱出するスキルを手に入れられるんじゃ!?」
そうだよ、ダンジョン脱出スキルに変えたら外へ出られる。
センベーさん
「アイスさんの火魔法か水魔法を変えたらいけるんじゃ」
『俺のスキル欄のスキルは変えられないみたい、他の人のスキルだけだ』
センベーさん
「じゃ僕に脱出できそうなスキルを頂戴」
『ごめん、センベーさんはスキルスロットが1つも無いよ、スキル欄にあるリスタート1は称号みたいで変更出来ない』
センベーさん
「マジかー、、、じゃ3人のスキルを変えて此処から出ようよ」
マンジュウさん
「待ってください、その前に通販スキルか食料を出せるスキルを先に下さい」
「脱出できても今の状態だと、外がスタンピードなら危ない」
確かにそうだ。
俺はマンジュウさんの筋力強化スキルを魔力ネット通販スキルに変更した。
マンジュウさんは直ぐに通販スキルを使い、栄養ゼリーや栄養ドリンク、体力が付きそうな食べ物をどんどん出していく。
『マンジュウさんありがとう、ガンガン食べよう!食べられ無くなるまで食べるんだ』
センベーさん
「空腹なのに急に食べたら危ないんじゃ」
『回復魔法で治すから!とにかく栄養補給を優先しよう』
横になっているアケミさんと清水さんの2人にも、栄養ドリンクやゼリーを口に詰め込む。
途中で具合が悪くなりそうでも、回復魔法で無理矢理に治して食べさせ続ける。
俺も一気にゼリーを飲み、エネルギーバーをあまり噛まずに飲み込む。
呼吸が苦しい、心臓が痛い、けれど回復魔法を使い、また一気に食べる。
俺達5人は腹がはち切れそうになるまで食べ続けて、暫くしたら全員の体力が相当回復した。
センベーさん
「よし!マンジュウさんのスキルを、次は脱出できるスキルに変えて出ようよ」
『あぁ、ダメだ、スキル変更は1回だけしか出来ないみたいだ』
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