第208話 西の城塞都市
各地で皇太子が皇帝に即位したり、王を名乗り国を建国してる人達が何十人と現れているみたいだ。
1人2人なら前から皇帝になろうとしてたり独立を狙ってた人が、皇帝が亡くなったタイミングで決起した可能性はあるけど、何十人が1週間で行動を起こすなんて無理がある。
皆んな何らかの情報を皇帝が亡くなる前に知ってないとおかしい。
何も分からないが各地で戦っている味方を助けてから、今後を決めよう。
西の城塞都市には2時間程で到着した。
城壁から500メートル離れた場所に味方が陣を敷いていた。
ヴァルガさん
「王よ、援軍感謝する」
ヴァルガさんが兵士3000人を率いて一気に城塞都市に雪崩れ込んで占拠しようとしたが、都市を治めていた貴族が、ヴァルガさん達が攻める入る直前に王と成り独立して近隣の兵士を都市に入れたから、速攻で落とすのが無理になったらしい。
こんな帝都から近い都市の貴族が独立しても、普通は直ぐに軍隊を送られて鎮圧されるよな。
『都市に俺が行って説得してくるよ』
ホワタに乗って城塞都市の城壁近くまで行き、話し掛ける。
『俺はアイス国のアイス王だ、中に居る王と話し合いたい、会えなければ都市を全て破壊する』
返事は矢と落石で来た。
話し合いには応じないか、ここは物資が貯蔵されている場所だから破壊したく無いけど難しそうだ。
城壁を溶かして、中に入り、近くの人を捕まえて場所を聞きながら、王が住んでそうな邸宅を一直線に進んで行く。
王を名乗る貴族は逃げて邸宅には居なかった。
駐屯している敵兵士が多過ぎる、ヴァルガさんと兵士3000人だけだと、俺が居なくなったら治めるのは難しそうだ。
時間が無い、他にも援軍に行かないといけないから、兵士だけを殺して行くなんて器用な真似は時間が無くて出来ない。
清水さんが惨状を見て、俺を嫌いになるかもしれないな。
城塞都市は20万人近い人が住んでたかもしれない、俺は最大火力の火の玉を無数に飛ばして、ほぼ全ての家屋を燃やし尽くした。
治めていた王が死んだかどうかも分からないが、城塞都市の城壁もほぼ無くなりヴァルガさんはもう抵抗無く後処理が出来るだろう。
全てが終わり清水さんとホワタを呼ぶと、清水さんは涙を流して震えていた。
俺はそれでも次の場所へ移動をお願いして、清水さんは付いてきた。
26ヶ所の味方が落とせなかった物資貯蔵場所を全て確保したのは、18日後だった。
俺は結局殆どの物資を確保出来ず、4ヶ所以外は全て俺の手で物資を燃やしてしまった。
予定していた物資の1割しか確保が出来ていないらしい。
ルシーセさんが皇帝に即位してから1ヶ月経っている。
俺は帝都へ戻り状況を確認した。
帝都に居る人達と俺が連れて来た人達、合わせて250万人。
食料の貯蔵は3ヶ月分だけ。
プロトマト国や周辺国、各地方から物資を輸送したいが、周辺は偽の皇帝や野盗と化した王が暴れて輸送さえ難しくなっているらしい。
清水さんは俺と会話をしなくなった。
最後まで付き合ってくれたが、帝都へ戻ったら用意された部屋へ引き篭もり出て来なくなった。
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