第207話 皇帝の即位と独立する国
皇帝と配下の将軍を天幕で拘束した。
後からどんどん兵士が来るので、いちいち拘束も面倒になってオリハルコンで天幕全体を囲って暫く誰も入って来られないようにする。
中に音が聞こえないように二重の小部屋を作り、1人ずつ連れて来て話を聞く。
先ずは皇帝からだな。
東の皇帝
「お前のような見栄えのしない奴とは聞いていたが、まさか此処まで見窄らしいとは思わなかったぞ」
拘束されても偉そうな態度を変えない皇帝は、少し痛め付けても何も聞きたい事を喋らない。
時間が勿体無いので、皇帝は再び口に猿轡をして別の部屋をまた造り移動させた。
続けて何人かの身分の高そうな将軍から順番に小部屋で拷問したけど、誰も聞きたい事を喋らない。
俺を罵る以外は会話にならないな。
今までの経験から皇帝と将軍の誰かが喋り出すまで、相当時間が掛かりそうな気がする。
天幕の外に出て周囲に集まった凄い数の兵士達に向けて、俺がアイス王で皇帝を拘束してて、従わないなら皇帝諸共、此処にいる兵士全員を殺すと伝えた。
兵士を指揮しているだろう隊長らしき人達が
「皇帝陛下はご無事なのか?ご無事かどうか確認しないと我等も従えない」
俺がオリハルコンで拘束された皇帝を天幕の外に連れて来て周囲に見せる。
足と顔だけ見えて、後はオリハルコンで覆われた皇帝を見て周囲が騒つく。
東の皇帝
「鎮まれ!残念だが幾ら数が居ても、此奴を倒すのは無理だ」
皇帝が兵士達に待機するよう伝えたので、だいぶ落ち着いてきた。
清水さんとホワタを、空に火の玉を飛ばして呼ぶ。
『清水さん、皇帝は拘束したから、皇帝を連れて周辺の砦や街を攻めている味方を助けに行こう』
日本語で喋っている話に皇帝が笑いながら答える。
東の皇帝
「俺だけが即位したと思うか?俺だけがルシーセを倒そうとしてると思うか?」
「無駄だな俺は捕まったが、他の奴等は上手く動くだろう」
皇帝の手足を切り落とし、目を潰した。
清水さんはショックを受けていたけど、オリハルコンの拘束は重くてホワタに皇帝を乗せるのも大変だし、魔法を使わせない方法は、これしか知らない。
ホワタに乗って東南の砦に寄って皇帝を見せたら、司令官は素直に従ったが俺が捕まえた、手紙を皇帝に届けた兵士以外にも、何人もの兵士に手紙を持たせて皇帝や周辺の軍団に俺の存在を知らせていた。
『次は無いぞ』
時間が無いから許すしか無いけど、この司令官は油断出来ない。
次に山口さんへ会いに行って、帝都に戻って欲しいと伝えた。
『東に居る軍隊や東南の砦は今は従っていますが、いつ裏切るか分からないので物資は現地の司令官に任せて、山口さん達は帝都に戻って下さい、すみません俺は先に帝都へ戻ります』
山口さん
「分かりました私達も後から向かいます」
帝都に戻りルシーセさんに東の皇帝を見せて話を聞くと、次々と各地の皇太子や貴族が皇帝に即位したり、ルーガ帝国から独立して国を作り王になったりしてるそうだ。
西にある城塞都市を攻めて苦戦している味方を助けに、急いで向かう。
色々な動きが早過ぎる。
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