第200話 高速移動

白い虎が四聖獣かどうかを調べるのは一旦止める。

魔物の森で1人暮らしていた、女の子の心の支えになっているから。


『清水さんは1人で、魔物の森で生活してるなんて強いですね』


清水さん

「此処を離れて他の場所へ行こうと思ってたんです、でもホワタを連れて行くと他の人が怖がるから、それに此処の果物と野菜は凄く美味しいんですよ」

「寝る時はホワタに抱きついて寝たら、ぐっすりと寝られちゃいます」


確かにホワタを連れて移動すると混乱が起きそうだ。

オリハルコンの家から出した馬も、ホワタを見たら激しく動揺して嘶いてる。


清水さん

「お馬さんビックリしてますね、ごめんね」


俺は急がないといけないから、『話す時間が無くてすみません』と清水さんにも此処を通り抜けてルーガ帝国の帝都へ行くと告げる。

途中までと、清水さんはホワタに乗って、俺は馬に乗って西へ移動しながら話す。

清水さんはホワタの背中に上手く乗ってる、ホワタも身体を上手く使って清水さんを落とさない。


何十万人という人間が異世界へ転移している事や、今から6ヶ月後に大規模なスタンピードが起こり防げなければ大陸の人達は全員死んでしまう事、俺は準備の為に味方を助けに移動している事を掻い摘んで話した。


清水さん

「じゃ此処で生活してても6ヶ月後には、魔物が大量に押し寄せて来るんですね?」


『そうですね、危なくなったら南西方面へ来て下さい、城壁を造ってスタンピードに備えてるはずです』


清水さん

「ホワタも理性を失って襲いかかって来るのかな?」


『多分大丈夫じゃないかな、絶対とは言わないけど襲って来る魔物は、ダンジョンから出て来る魔物だけだと思います』


四聖獣ならスタンピードとは違うし、魔物に混じって襲っては来ないだろう。

ホワタが襲ってきてたら、前回の異世界で俺が覚えてるよ。


清水さん

「ずっと此処で生活出来ないなら、私とホワタも佐藤さんと一緒にルーガ帝国へ行っても良いですか?」


清水さんだけなら良いけど、ホワタはどうだろう。

何かに巻き込まれて清水さんが死んだ時に、ホワタは制御を失うよな、どれくらい強いか想像でしか無いが、四聖獣なら城壁の中で暴れられたら味方に多数の死者が出てしまう。


清水さん

「やっぱり無理ですよね、ホワタとスタンピードが起こるまで2人で暮らしますね」


俺が考えてると清水さんが申し訳無さそうに話す。

女の子なんだ、1人で生活するのも辛いし寂しかっただろう。

白い虎は彼女の心の支えで友達だ。


『清水さん絶対死なないで下さいね、貴方の命も大切だけど、貴方が死ねばホワタは野生に戻って、魔物として人を殺すかもしれないから』

『一緒にルーガ帝国の帝都タミンスへ行きましょう、俺が居れば殆どの人はホワタが居ても大丈夫なはず』


清水さん

「ありがとうございます佐藤さん、あの、、帝都へ行くのにホワタに乗りませんか?」



俺と清水さんはホワタに乗って帝都へ向かっている。

速い、速すぎる、、、ホワタは時速100kmは余裕で出ている。

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