第193話 帝都タミンス

ルーガ帝国の皇帝を殺す為に、ルーガ帝国の首都タミンスへ向かっている。

街に泊まらず野宿して、一番走る馬で走り続けて5日の道のりだ。


ルシーセさんの作戦に乗って良かったと、首都へ向かっている道中にずっと思っていた。

ルーガ帝国の主要街道の道は整備されていて、場所によっては石畳になっている。

そして途中には関所だけど砦として機能する多くの兵士が滞在する場所が何ヶ所もあった。


ルシーセさんが渡してくれた旅券と身分証明書、服が無かったら関所で止められていたと思う。

関所の兵士を皆殺しにするのは簡単だけど、数百メートル毎に狼煙台が設置されているので、直ぐに各地域に俺の居場所がバレる。


ルシーセさんが居なかったら、実際に戦争になっても食料の確保も皇帝を殺す事も難しかった。

いや食料の確保は戦いが始まらないと、まだ分からないか。

皇帝と主要な大貴族、軍人をルシーセさんが上手く集めてくれて、全員殺すのは絶対成功させないといけないな。


兎に角、ルーガ帝国の街道を移動してて、想像以上に整備された国内を見て、尚且つ広大な領土を思うと夏までに征服は無理だったろうなと思った。

それと同時に途中から首都へ行く道中の見渡す限りの、冬だから何も無いけど畑と思われる平地は、城壁で囲めば大量の難民が来ても受け入れられる場所だなと思った。


首都タミンスへは5日のお昼頃に到着した。


センベーさん

「美味しい物を食べに行こうよ、と言う所だけどルシーセさんに会うのが先か」


マンジュウさん

「中世というより近代の街並みですね、凄い景色だ」


ルシーセさんの邸宅まではセンベーさんが知っていたので案内してくれた。

ルーガ帝国の首都は100万人以上が住んでいる大陸で一番人口が多い街らしい。

城壁の外にも街があったけど、高い城壁の中には家が所狭しと並んでいて、3回建てや4階建ての建物も多いな。


城壁の中を進んで行くと、更に城壁があって其の中は馬での移動を一般人は禁止らしく徒歩で移動する。

貴族の邸宅や高級な商店の地域なのかな。

道路の左右にある邸宅や商店は魅入ってしまうぐらい綺麗な街並みだ。


『これは凄いな、此処を破壊するのは勿体無いかも』


センベーさん

「アイスさん日本語でも呟かない方が良いよ、首都に居るルーガ人は日本語を学んでいる人も居るからね」


思わず日本語で喋ってしまっていたみたいだ、気を付けよう。


ルシーセさんの邸宅兼商店は非常に大きな4階建ての建物だった。


ルシーセさん

「こんなに早く来て下さって感謝します、私の方の準備は終わっていますので、決行の日付をお聞きしても宜しいでしょうか?」


早速本題を聞かれたので、俺達が旅立ってから5日が経っていたから、丁度1週間後に各地の物資貯蔵場所を攻める予定と話した。


ルシーセさん

「承知しました、皇帝と貴族、軍人を集めたパーティーを1週間後に企画致します」

「それまでは、ゆっくり休んで下さい」


ルシーセさんは皇帝になろうとしているのに、非常に丁寧な話し方をしている。

この人と組んで無かったらスタンピードまでに、準備を終わらせられ無かっただろうな。



でも俺の感でしか無いんだけど、会ってからずっと脳内で信用するなと警笛が鳴っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る