第191話 終わっていた準備
ルーガ帝国の中でアイス国民が生活する場所の施設を造っていたら、ルシーセさんが一緒にクーデターを起こそうと持ち掛けてきた。
王位継承じゃない、ルシーセさんは皇帝の子供ではあるけど、正式な妃の子供では無いので継承順位には入っていない。
俺とアイス国の武力が加わっても上手く行くとは思えないな。
マンジュウさん
「彼に恨みがあるとかを別にしても、ルシーセさんが皇帝の死んだ後にルーガ帝国を纏められるとは思えません」
皆んなの意見もマンジュウさんと殆ど同じだ。
ルーガ帝国に詳しい人の話では、ルシーセさんは貴族でも無い、商人としてはルーガ帝国の首都や他の都市で手広く商いをしていて、帝国で2番目に規模の大きな組合組織らしい。
送ってきた手紙には、皇帝を殺してクーデターを起こすしか書かれていない。
こんな手紙で俺達がクーデターに手を貸すと思われているぐらい、俺達は帝国内で危険視されてるのかな?
俺の考えは皆んなの生活の質が改善したら、一度ダンジョン攻略に戻り彼処をクリアしたい。
そしてプロトマト国の方へ拠点を移してスタンピードを迎えたい。
カケージ港からの食料輸送と日本人の移送が今は機能し出しているから、カケージ港周辺に城壁を造り戦うしかないかな。
ルーガ帝国には潤沢な食料が有るけど、共闘が難しいのがなぁ。
分かっている、プロトマト国でスタンピードを迎えたら、各国から逃げて来る難民が一千万以上になったら受け入れられる平地が無い。
ルーガ帝国の肥沃で広大な平地に城壁を造れればなぁ、沢山の難民が来ても大丈夫そうなんだけど。
戦争したら折角の拠点にする場所を、俺が破壊しないといけないしな。
長山さんがルーガ帝国は、俺が攻めて来たら焦土作戦をするかもしれないと言っていた。
スタンピードが始まって、食料が無いとかシャレにならない。
結局、裏で足を引っ張るルーガ帝国と戦争を始めるには、時間が足りないからギリギリまで相手の出方を待つしか無さそうだ。
1週間経った頃に九鬼がセンベーさんを連れて帰ってきた。
会って直ぐに俺はセンベーさんに回復魔法を使って、手と目を治した。
センベーさん
「ありがとうアイスさん!いやー不便だったから助かるー、魔法は何も覚えられなかったけど、美味しい店は沢山知っているからルーガ帝国の首都に行ったら案内するね」
久しぶりぶりに会うセンベーさんは、めっちゃ太っていた。
最後に会った時は転移した時より痩せていたはずが、今はムチムチボディで背が高く無いセンベーさんなのに100kgは余裕で超えてそうだ。
『美味しい物がいっぱいあったんだね(笑)』
センベーさん
「ルシーセさんが美味しい店を、色々と教えてくれて奢ってくれて助かったよ」
「スタンピードに備えた食料庫の配置場所の地図を預かって来たから、アイスさん首都へ行こう」
センベーさんの話だと、もうクーデターの準備は終わっていて行動に移すだけみたいだ。
何も話し合いをして無いのに、何が何だか。
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