第190話 生活の改善

ルーガ帝国が邪魔をして、物資も日本人も集めるのが難しくなっている。

大陸一の巨大帝国だけど、滅ぼすしか無い。


俺はシャルパック国やネスカ国、他の国から移動させて来た人達が住んでいる居住地に、初めて訪れた。

聞いてたから酷い場所と知っていたけど、想像より酷かった。

湿地地帯に雪が降ったお陰で、地面が固まって今は住む事が出来ているけど、春から夏に雪が解けたら地面は泥濘んだら人が住める環境じゃないみたいだ。


『ここを整地して使えと言ってるのか?』


山口さん

「そうです、ルーガ帝国は此の巨大な湿地帯を土地として提供しています」


ルーガ帝国からの食料提供も少なく、このままだと夏になれば持ってきた食料も少なくなり、餓死者が出る予想だった。


ルーガ帝国を滅ぼす事は出来ると言うけど、夏までに支配するのは無理と、色々な人達の意見を聞いたら皆んな口を揃えて言っていた。

帝国の領土は地球にある、中国とインドを合わせたぐらい広いそうだ。

山脈や魔物の森等があって全ての場所に人が住んでいる訳じゃないらしいが、とにかく広い。


山口さん

「ネスカ国でやった、国の都市を全て破壊する方法は2年でも足りません」


ヴァルガさん

「アイス王がいる限り負ける事は無い、ある程度の領地を奪いスタンピードに備えるのが良いだろう」


いや、それだと今、此処に居る人達しか助ける事が出来ない。

俺が造る城壁と、俺が戦えば多くの人達を救えるのに、ルーガ帝国はスタンピードを知っていて何故手伝わない?


『1箇所に帝国の主力を集めて殲滅するのは無理か?』


長山さん

「それをするにはアイス王の強さが知られて無い状態じゃないと無理かと、現在のルーガ帝国はアイス王が参戦した戦いは全て逃げて戦わないと思います」

「帝国が従うとしたら、スタンピードが始まれば降伏して従うかもしれません、スタンピードが終わればアイス王を殺す方法があるのなら殺して、また支配するでしょう」


人類が死ぬか生きるかの時に戦争か。


出来る事からやっていこうと、オリハルコンで土地を整備して断熱のしっかりした家を建てて、巨大な貯水槽を幾つも造り水の確保と快適な住む場所を造っていく。

高さ70メートルの城壁も周りに造っていく。

数万〜10万人が住める場所を1日で造り終わる。


ヴァルガさん

「王の魔法は人の力では無いな、王が神と言えば皆、信じて従うだろう」


『俺は神じゃないよ』


九鬼とその仲間達に、ルーガ帝国の首都に居るセンベーさんや何人かの人達を連れて帰って来て欲しいと命令する。

九鬼達は相当強くなっているそうで、索敵スキルやら何やら隠密活動には期待して良いと、山口さんが言っていた。

それだけ人を殺しているんだろうな、、、


10日程を人々の生活改善に費やしていると、手紙が届いた。



手紙の送り主はルシーセさんだった。

俺達が人攫いに攫われた時に、指揮をしていたルーガ帝国の人だ。


手紙には現皇帝を殺して、クーデターを起こすので手伝って欲しいと書かれていた。

ルシーセさんは皇帝の庶子だった。

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