第133話 森の転移者
魔物を狩る為にずっと北へ歩き続けて夜になったので、オリハルコンの家を作って横になってる。
3人とも草の不味い鍋を食べたけど、会話する気力も無く寝てしまった。
北に向かってから3日が経っている。
もうずっと草しか食べてない。もうどの草が栄養になるのかも分からない。
異世界なのにゴブリンさえ襲って来ないって、どんだけ魔物少ないんだよ。
北へ歩いて4日目に変化が訪れた。
萬寿さん
「あれは人工的な何かじゃないですか?」
マンジュウさんが言う方向を見てもよく分からないな。
俺達3人は走る事もなくゾンビのようにノロノロと近付いていく。
近くに来たら確かに人工的っぽい、木とか葉っぱでカモフラージュされてるが何かがありそうだ。
目の前まで来て初めてこれが隠された家だと分かった。
多分、土で出来ている四角い建物の周りを、遠くからじゃ分からないように木と葉と草で隠している。
『マンジュウさん、よくあんな遠くから分かりましたね』
萬寿さん
「何か木の密集が不自然だったので」
センベーさん
「魔物の家かな?中に食べ物あるかな?」
俺とマンジュウさんもセンベーさんの食べ物発言で、魔物がいようが中に入るのに躊躇は無かった。
でもどうやって入るんだろう。
萬寿さん
「ここがドアだと思いますが、カギが掛かっていますね筋力強化で壊します、佐藤さんオリハルコンの棒の生成お願いします」
俺はオリハルコンの棍棒を生成してマンジュウさんに渡す。
マンジュウさんは棍棒で思いっきりドアと思う部分を突く。
ドアは木で出来ているのかミシッと音を立てたが、まだ壊れない。
マンジュウさんが徐々に棍棒で突く力を強くしていってると、カギの部分が外れたのか押すとドアが開いた。
誰も居ない中は思ったよりも広く綺麗に整ってる。
中央には木の丸いテーブルがあって椅子と思われる丸太が8個周りに置かれている。
壁には蝋燭?火魔法で火を付けると部屋を薄暗いけど見えるようにしてくれた。
扉もあって部屋が4つあるみたいだ、土で出来た階段もあるから上にも部屋があるのか。
センベーさん
「ここはキッチンみたいだね、肉がある!肉があるよ!」
もう他の所を調べる余裕なんて無かった。
センベーさんが肉を持って来たら、テーブルの上にオリハルコンの板を作り肉を乗せる。
俺が火魔法で肉を焼いていく。
センベーさんが塩と胡椒も見つけて来た。
この塩と胡椒は日本のパッケージされた袋に入っている。ここは転移者の家か。
いやどうでもいい。
焼いてる肉に塩と胡椒をガンガン掛ける。
匂いだけで昇天しそうだ。
3人とも焼いた肉を手掴みで引きちぎって口に放り込む。
何の肉か分からんが、久しぶりの肉は美味しすぎる。
肉汁が口に広がる。塩と胡椒のハーモニーが頭でファンファーレを響かせてる。
センベーさん
「アイスさん水を頂戴」
俺はコップを生成して水を入れて渡す。
水も何だか凄く美味しく感じる。
マンジュウさん
「うおおおーここにジャガイモっぽい何かもありますよー」
肉を口に含みながらマンジュウさんがキッチンからジャガイモを持ってくる。
ジャガイモも鍋を生成してお湯で茹でて塩と胡椒で食べる。
炭水化物最高!!!
センベーさん
「幸せやで肉とジャガイモを一緒に食べたら幸せが来るで!」
マンジュウさん
「塩分制限なんてしてられないぜ!ジャガイモに塩を練り込んで食っちゃうぜ!」
『あへへへへ美味えぇぇぇぇハフハフモグモグ』
どれくらい食い続けてたのか。
急に胃へ食べ物を入れたからか、意識がヤバくなったけど、全員無理矢理に回復魔法を使って食べ続けた。
体調悪化なんて幸せの肉に比べたら些細な事よ。
3人とも周りを気にして無かった。
俺は何かで殴られたのか気を失ってしまった。
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