第124話 金属の塊に回復魔法
センベーさんの提案で海から拾ってきた、金属の塊に回復魔法を使ってみる。
リヴァイアサンを討伐した場所にあった、索敵で人の反応がする謎の塊だ。
もし回復魔法でリヴァイアサンが復活したら、ここで倒すと経験値が入るんだろうか。
俺とセンベーさんは使えないが、真田さんがパーティーに誘うを選ぶと、俺とセンベーさんにAR表示で【パーティーに参加しますか?】と選択が出てきた。
パーティーなんてあるんだな、参加してもパーティーメンバーの名前が表示されるだけで、パーティーに掛ける魔法とか誰も使えないので経験値分配だけの効果かな。
魔物は倒した人が経験値を多く貰えるらしいから、サポート職はレベル上げ大変そうだ。
真田さんに事情を説明して一緒に倒す準備をする。
リヴァイアサンが陸でも呼吸できるのかも分からないが、もし陸上でも動けるなら準備してから戦わないと、俺は平気でもセンベーさんと真田さんが危ない。
俺だけで倒したんじゃ意味がない。
なるべくなら真田さんに止めを刺して貰いたい。
真田さんならレベルがあるので、どれくらい経験値が入るのかも数字で分かるし、最悪真田さんだけしかレベルが上がらなくても、真田さんが日本へ帰る手助けになる。
真田さんにリヴァイアサンがどんな魔物か説明する。
真田さん
「体長が100メートル以上で、身体全体が水魔法の膜で覆われてる!?」
「異世界で俺はそんなバカでかい魔物なんて見たことないぞ」
「佐藤さんがそれを1人で倒したの!?」
どうやって倒したのかとか、モササウルスみたいな見た目、陸上でも尾を振って攻撃してくる可能性、口を開けて歯で攻撃してくる可能性、水中にいる時より戦いやすいと思うけど気を付けた方がいい所を説明した。
真田さんは俺とセンベーさんが説明しても、実物を見るまでは半信半疑みたいだ。
まぁ、あれは実物を見ないと俺も信じられなかったと思う。
セーフティーゾーンからは離れた、皆んなが普段移動しないルートの開けた平地に復活させる。
近くだと建物には窓が有りリヴァイアサンを見たらビックリされてSNSで話題になってしまう恐れもあるし、中にいれば安全でも万が一、外に出てる人が居たら危険過ぎるから。
オリハルコンの生成は前より下手になっていて、高さ70メートルの檻の中でリヴァイアサンを復活させようと思ったけど、遠くまで生成出来ず高さ30メートルぐらいの壁を作るのもやっとだったので、リヴァイアサンが中にすっぽり入れそうな楕円形の壁だけ造って、30メートルを飛び越えられたら次の手を考えようとなった。
1番魔力が高い時なら水魔法の膜に火魔法で穴を開けられる自信があったけど、今回は相当魔力が下がっているので、やりたくないけど外からダメージが与えられない場合は口の中に入って攻撃するしかない。
センベーさん
「ここまで準備して回復魔法を金属の塊に使ったらさ、何も起こらないとかだったらウケるよねー」
いやいやセンベーさんウケるよねじゃないよ、復活以外のもっと悪い事になる可能性もあるし、もっと緊張感もってやろう。
壁の上で待機してる真田さんも剣を構えてるけど、ちょっと疑ってる感じだ。
『じゃ壁の中で塊に回復魔法を使うから、もし復活して陸でも自在に動けそうなら近付かないで下さい』
センベーさんと真田さんが頷く。
青い色の金属の塊に俺は回復魔法を使う。
回復魔法自体が塊に吸われていく。
回復させてるというよりも、回復魔法を注ぎ込んでるみたいだ。
10分以上は回復魔法を使い続けてる。
センベーさん
「アイスさん変化無し?」
『いや、回復は出来てる、俺の魔力が低いから時間が掛かってるんだと思う』
それからまた10分以上も注ぎ続けてると、金属の塊が青白く光り輝いて瞬間、爆風と共に巨大なリヴァイアサンが壁の内側に現れた。
塊が光ってからリヴァイアサンが現れるまで1秒も掛かってないんじゃないか、この爆風で壁の上に居たセンベーさんと真田さんは外側の壁下に落とされていた。
『大丈夫?』
センベーさん
「なんとか、頭から落ちたけど痛いだけで済んだよ(笑)」
真田さん
「俺も身体は痛いが大丈夫だ」
2人に回復魔法を使いリヴァイアサンを観察する。
陸上のリヴァイアサンは物凄い地響きで暴れ回っているが、歩く事は出来ないみたいだ。
真田さん
「聞くと実際に見るのじゃ全く違うな、デカいなんてもんじゃないな、200メートル以上はあるんじゃないか」
真田さんは実際より大きく見えてるようだ、初めて巨大な魔物を見ると、皆んな大きさなんて分からなくなるんだな。
俺も陸上でリヴァイアサンを初めて見るけど、反射スキルが使えなくなるほど魔力が下がっていたら倒すの絶対無理そうだ。
俺を見たリヴァイアサンは鼓膜が破れるんじゃないかと思う咆哮を、ダンジョン中に響かせる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます