第123話 とんでもない魔物退治
ダンジョンで生活してる人達は一部の人を除いて、セーフティーゾーンで楽しく暮らせれば良いやと思ってる。
俺とセンベーさんも1年以上楽しく暮らして満足してる。
ここでの生活は食事は凄く美味しいし、掃除や洗濯をしなくても勝手に見えない所で綺麗にしてくれている。
娯楽は色々と揃っていて、他の人達は毎晩飲んで騒いでのパーティーをしてる所もあるらしい。
セーフティーゾーンの建物は100室しかないのに、200人以上が同じ建物に住んでる場所もあるそうだ。
異世界や日本に比べて楽しいけど魔力が下がり続けてるのは不安になる。
誰も検証してないから確証は持てないけど、実感だと魔力の下がり方は加速してる気がする。
10年以上住んでる人の話では歳も取らないらしいので、死ぬ事も無いらしいが消えてる人もいるから実際死なないのかどうか。
真田さんはダンジョンボスを一緒に倒そうと頻繁に誘って来る様になった。
真田さんが誘いたい強い人も居たらしいが、そういう人はSNSから早く消えるのでボスを倒して日本へ帰ったんだろうと言っていた。
真田さんは何度か仲間を募ってダンジョンボスに勝負したけど、大怪我を負って退却を余儀無くされてるみたいだ。
真田さんを手伝いたい気持ちもあるけど、戦ってボスを倒した時に日本へ戻るのは、此処での生活を捨てる事になる。
此処より、こんなに幸せに穏やかに生きられる場所は無いと思う。
センベーさんと話したが、日本へ強制的に戻らされる事になっても異世界へ戻らされる事になっても、それまでは此処で暮らそうと決めている。
でも魔物を倒して最低限の魔力維持はしとく。
反射スキルが使えなくなるのは嫌だし。
強制的に異世界へ戻るなら魔力は維持しときたい。
真田さんは会う毎にレベルが下がっていってる。
今はレベルが88まで下がってる。
本人も無茶なレベル上げとダンジョンボス攻略をしてるのか、死にそうなぐらいの大怪我をして、その度に回復魔法をお願いしてくる。
内臓が飛び出してた真田さんを見た時に、いつか死ぬと思って、
『真田さんセーフティーゾーンで日本へ戻るまで楽しく暮らしたらどうでしょうか』
真田さんはそれは無理という顔をして、
「佐藤さん、俺が異世界へ転移した時は4人だけだったんだ」
「一緒に転移したのは中学からの腐れ縁の仲間達で、4人一緒に同じ高校に入ったばかりの4月です」
「4人で6年間生死を共にして魔王を倒しました」
「女神様から感謝の言葉を貰って、最後にボスを倒したら日本へ帰れると聞いたんです」
「このダンジョンで俺は友達3人を失いました」
「1人は好きだった子でしたよ」
「3人が殺された場所で幸せに暮らすのは無理です」
真田さんは男2人、女2人の4人で転移して来て最後の此のダンジョンで全てを失ったから、居たくないそうだ。
そりゃ居たく無いよな。
真田さん
「レベルはどんどん下がり続けて俺は弱くなってるのを日々感じていますよ」
「それでも諦めたくない」
真田さんは唇を噛み締めて下を向いてる。
暫く沈黙が流れて、
センベーさん
「アイスさん、前にリヴァイアサンを討伐した時に見つけた金属の塊は持って来てるよね」
『持って来てるよ』
センベーさん
「もしアイスさんが金属の塊に回復魔法を使ってリヴァイアサンが復活したらさ、此処で倒せたら経験値を大量に手に入れられる魔物になりそうじゃない?」
リヴァイアサンが復活するかも分からないが、やってみる価値はありそうだ。
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