第111話 転移ゲート
パパレ国では王様に気に入られ戻って来たら、国に国賓として滞在し続けて欲しいと言われたが、曖昧な返事を返すしか出来なかった。
カレンさんとセンベーさんが日本へ帰ったなら、俺は長山さんの所に一度戻ろうと思ってる。
沢山の転移して来た日本人は、帰る方法が見つかったのを知らない。
殆どの人が帰れるなら日本へ帰りたいんだろう、帰りたい人が居なくなるまで、日本人を案内し護衛しながら転移ゲートの間を往復するつもりだ。
一部の人達だけ魔物を倒すのは楽になっているが、大半の日本人は魔力も上がらずスキルや魔法も使えず、日本へ帰りたいと願い続けてる。
歩いて1カ月の予定でもセンベーさんに背負って貰った籠で移動したら、もっと速く到着するだろう。
ハルトさん
「センベーさんの足なら2週間も掛からないかもねー」
「俺は訓練もしたいから一緒に走るよ」
西の砂漠への移動にナチャチャさんとセシャさんは同行しなくても良いよと言ったけど、2人は一緒に着いて行って最後のお別れを言うと強く主張してきた。
本当はナチャチャさんとセシャさんが着いて来てくれて嬉しい。
俺だけならハルトさんとの帰りは寂しい気持ちで辛いものになっていたかも。
やっぱりセンベーさんは帰るつもりみたいだ。
カレンさんと一緒に帰ると言ってる。
俺は日本へ帰らないと皆んなに言っているので最後になるからか、センベーさんとも少し話しが出来るようになった。
『センベーさん、日本に帰ったらスキルを使えなくなるらしいよ』
『転移した時間には戻れるらしいけど、本当にいいの?』
センベーさん
「僕は戻るよ、カレンさんと戻ったら日本で会う約束もしてるんだ」
「異世界転移は僕の夢だったけど、今度は日本で頑張ってみる」
決意は揺るがないみたいだ。
寂しくなる、、、
ナチャチャさんも寂しそうだ。
ハルトさんが居るから湿っぽい雰囲気に、ならないのは助かる。
最後の2週間の食事は通販スキルで出した食材は少なく、パパレで買った食材を使って調理した料理を皆んなで食べた。
ハルトさんが料理を作ってくれて、美味しい異世界の料理を堪能した。
日本へ帰る時に持って帰れるか分からないけど、帰る2人のリュックに通販スキルで出した宝石や貴金属を大量に詰めていく。
せめて日本に着いた時、お金さえあればカレンさんや、センベーさんの辛い思い出もマシな記憶になる事を祈って。
転移ゲートにはセンベーさんに背負って貰った籠で移動したら予想通り2週間で到着した。
日本へ転移するゲートを初めて見た。
見た目はエリアをワープするダンジョンの入り口に似ていた。
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