第110話 パパレ国
ハルトさんと日本へ帰る転移ゲートに行く前、パパレ国に寄って王様に会って欲しいそうだ。
日本に帰らないならパパレで、スキルを使って恩を売っておいた方が良いよと言われた。
そうなるか。
それに転移ゲートまでの移動は今の時期が1番砂嵐が厳しいので、少し待ってからの方が楽に移動出来るらしい。
今までの感じから鑑定されるだろうから、
回復魔法、オリハルコン合金生成、魔力ネット通販スキルだけは鑑定で見える様に変えておく。
パパレ国の首都と言うから大きい街を想像してたけど、かなり小さい国のようだ。
首都の人口は5万いるかどうか、西の方には砂漠が広がっているので農業は川の近くだけしか出来ないみたいだ。
エジプトみたいな感じか、俺の情報が回って来てるんだろうなと思ってたけど、東で何カ国も巻き込んだ大規模な戦争が起こってるぐらいの情報だけだった。
転移して来た日本人は殆ど見なかった、やっぱり3ヶ月前に出来たゲートで日本に大半の人は帰還したそうだ。
スキルの強い人や、現地で結婚したりした人は残ってるみたいだ500人居た日本人で、まだ居るのは30人ぐらいらしい。
カレンさんは早く日本に帰りたがっている雰囲気をしてた。
もう異世界は嫌だろうからね、センベーさんも「僕も日本へ帰ろうかな」と言い出してる。
いやセンベーさんの日本に居た時の話は聞いた事が無いけど、センベーさんが日本に戻ってもカレンさんと恋仲になれるとは思えないよ。
センベーさんに言いたいけど、今のお互いの関係じゃ喧嘩になってしまうし、言えない。
王様に会って通販スキルで食料や物資を提供したり、
魔物との戦いで大怪我してる人を回復したり、オリハルコンの城壁を造ったり家を作ったりしたら、あっという間に2ヶ月が経っていた。
パパレの首都は見違えるほど立派になって貿易の中継拠点として、初めて来た時より活気に満ちてる感じがした。
ハルトさんは俺達をパパレの首都に残して2回だけ他の街に行ったりしたけど、基本は通訳も兼ねて首都に居てくれた。
ハルトさんは皆んなと仲良くなっていた。
でもカレンさんがハルトさんと楽しそうに談笑するから、センベーさんはちょっと距離がある。
ハルトさんはナチャチャさんや日本語を喋れないセシャさんとも楽しく話してて、コミュ力が高いなと思っている。
転移ゲートまでは1ヶ月も西へ行かないといけないので、その間は砂漠を越えるし大変みたいだ。
もしかしたら皆んなとの最後の旅になるかもしれない。
ハルトさん
「転移ゲートまでの魔物は強いから、俺とセンベーさんの索敵で避けながら無理なら倒していこうー」
「カレンも後少しだ、俺が守るから楽にしてて良いよ」
センベーさんが少しムッとしてる。
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