第108話 久しぶりの現地人

センベーさんと会話をしなくなって3週間が経っている。

実際、移動に関してや作業とかでは喋るけど、雑談は全く無い。


カレンさんも、この空気は自分のせいと思っているのかセンベーさんや俺とは距離がある。

ナチャチャさんと彼女のセシャさんが居なかったら、食事は其々の部屋で食べそうなぐらいの雰囲気だ。


3週間も西へ移動し続けると俺達が戦った6カ国よりも先の国へ到達したようだ。

周りの風景が変わって来てサバンナのようなだだっ広い景色に変わって来た。

南の大陸は夏になると寒くなる感じだったけど、ここら辺は暖かい。


ナチャチャさん

「街道があるね、アイスさん次に街を見つけたら入ろう、センベーさんの索敵で人が居たら接触しよう」


ナチャチャさん1番年下なのに気を遣って貰ってすみません。

旅の間1人がハブられないように上手く繋いでくれてる。


センベーさん

「1.5キロ先に17人が一緒に歩いてるよ、どうする近付く?」


俺は返事をしなかったが、ナチャチャさんが近付こうと言ったので久しぶりに他の人達と接触する。


俺だけが300メートル先に1人で歩いて接触する。

いきなり襲って来たら皆殺しにするだけだ。

ナチャチャさんにはタブレットに入っていた南の大陸の色々な言語の挨拶を全部言ってから、塩や砂糖の袋を渡して友好的に接してと言われてる。

殺しは全員が襲って来てから、最後の手段と何度も念を押された。


17人の人達の方へ向かうと、向こうも1人で歩いてくる俺に気付いて明らかに警戒している。

上は半袖、下はハーフパンツに靴はトレッキングシューズ、武器も持たない手提げ袋だけ持ってる俺が笑顔で近付いて行くのに、17人の行商人っぽい人達はどんどん警戒してるのが分かる。


発音は合ってないかもだけど、メモを読みながら大声で色々な言語の挨拶をする。

え?何で攻撃魔法の準備とかしてるの?武器を持たない笑顔の一般人を何でこんなに警戒するんだよ。

俺の指名手配犯のような写真が、ここにも出回ってるのかな。


「お、?もしかして日本人か?」


いきなり後ろに現れた、スキルか?

他の人は肌の色が濃い北アフリカの人みたいな感じだったが、1人だけ日焼けの薄い人が話しかけて来た。

背が高いかなりのイケメンな人だな日本人?


『日本人です!良かった言葉が喋れなかったので助かります』


「ここをそんな格好で歩いてるなんて怪しくて攻撃する所だったぞ(笑)」


怪しく無いでしょ。

俺がもし俺に会ったら、

いや魔物が徘徊するサバンナで、ラフな格好のオヤジか笑顔で近付いて来たら警戒するか。


彼を鑑定したら忍者という職業持ちの人だった。

爽やかな人だけど、もしかすると攻撃的かもしれない。

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