第107話 センベーさんの舞い上がり
嘘を付いてるとは思わないけど、カレンさんの情報は監禁されてたからか2年近く昔の事は、俺の知ってる情報と違う部分も多かった。
地球に帰還する情報を集めに街へ行きたいけど、迂回して西へ移動してる。
一度シャーザ国の街に入ったら指名手配犯の様に顔写真が、ばら撒かれているみたいで賞金目当ての人達が襲って来たり、俺の通販スキルやオリハルコン生成目当てに人が寄ってきて足止めされ、長山さん達が来そうで危なかった。
ナチャチャさんが俺やセンベーさんの殺しを必死で止めるから、皆殺しにも出来ない。
俺達を知らない人が居る土地までは、人里離れて移動する事に決まった。
ナチャチャさんとセシャさんは一緒の部屋で寝泊まりして、他の3人は別々の部屋をオリハルコンの家では作って寝ている。
食事は皆んな一緒に食べているが日本語で会話するからセシャさんだけはナチャチャさんが通訳するけど、少し距離がある
カレンさんは食事と睡眠を取る程にどんどん健康的になっていってる。
俺もカレンさんは綺麗だと思う、化粧をして無いのに色気があって美しい。
マズイのはセンベーさんがカレンさんと初めは会話するのに躊躇してたけど、今は積極的に色々と話し掛けてデレデレしている。
分かるよ、カレンさんは綺麗だし話し上手だ。
俺もセンベーさんの舞い上がり方を見てなかったら、好きになってたかも。
カレンさんはセンベーさんに合わせてるが、内心は惚れられて困ってそうだ。
俺達は好きになるけど、カレンさんは辛い経験をして日が浅いのに男に迫られて困るだろうし、
どう見ても俺とセンベーさんは50過ぎた禿げてる小太りのオジサンだ。
二十代の女性が惚れる要素、何も無い。
これから長い旅になりそうだが今の状態は不味いよな。
2人きりになった時、センベーさんに注意する。
『センベーさん、カレンさんは辛い目に合って精神的に参ってると思う』
『余り無理に話しかけず適度な距離を保ってあげようよ』
センベーさん
「アイスさん分かってるよ!僕は辛いと思うから優しくしてあげてるだけだよ!」
センベーさんはちょっと怒って反論してきた。
センベーさん以外は、センベーさんがカレンさんに惚れてるのを分かるぐらいの態度になってる。
カレンさんから言って貰った方が良いかな?
カレンさんに『嫌だったら、センベーさんに直接言って下さい』とは言ってみた。
カレンさんは、「ありがとうございます」とだけ言って会話は終わった。
これどんな風に言えば正解なんだろう。
暫くしてセンベーさんは怒って
「アイスさんはカレンさん好きなんでしょ?僕がカレンさんと仲良くするの見たくないんでしょ?」
美人と小汚いジジイ2人の色恋沙汰が始まって、あんなに仲良かった俺とセンベーさんは会話をしなくなってしまった。
勘弁して欲しい、こういうのが嫌だから女性に近付かなかったのに。
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