第100話 6カ国との戦争
そろそろ戦闘が始まるらしいので、俺は起きて顔を洗い歯を磨いた。
皆んな緊張しているな。
面白いギャグでも言えば緊張が解けるかなと思って、昔にネットで流行ったギャグをしたら、
皆んなビックリした顔で固まっていた。
センベーさん
「此処は船の中じゃ無いよ、アイスさん戦いが始まるんだよ?」
『ごめん皆んなを笑わそうと思ったけど滑っちゃったね』
センベーさん
「いや、そうじゃなくて、、、アイスさんが元気ならそれでいいよ、、、」
朝になり敵が進軍してきた。
此方も体制を整える。
先頭に戦車のような鉄で覆われた乗り物が何十台と大きな音を鳴らして迫ってきてる。
長山さんがオリハルコンの盾を前に出して近付くように指示をだす。
戦車から大砲は撃ってこないが、戦車は俺達に近付くと轟音と共に周囲を爆発させてきた。
オリハルコンの盾が壊れない代わりに、味方の兵士は皆んな爆発で吹き飛ばされている。
リベルさんや一部の人のオリハルコンの武器で戦車の僅かな隙間部分を破壊したり、
魔法や催涙系のガスを当てて動きを止めようとするけど、戦車は強力で動きを止めるまではいかない。
長山さんが下がる様に指示を出して、全員で地雷の設置してある場所まで後退する。
地雷に反応して戦車が爆発すると、漸く動きが止まった。
戦車は地雷原には来なくなり、膠着状態になったと思ったら、敵の兵士が大量に矢を降らせながら進軍してきた。
全軍では無いとしても、半数近い20万の軍勢が一気に迫ってくる。
此方も4万近くの兵士が居るけど、数の上では圧倒的に負けている。
包囲されないように味方が少しづつ後退しながら戦闘が始まる。
地雷原は大量にある訳じゃなく、戦車の様な兵器を想定して一部にだけ埋めてあるので戦車は迂回して来ている。
敵兵士は人の重さでは作動しない地雷原を真っ直ぐ此方に来る。
敵と味方では武具の差が相当あるので、
一般の敵兵士はオリハルコンの防具を装備している、味方兵士に致命傷を負わせられない。
此方のオリハルコンの剣、槍等は折れないし力の強い人だと、鉄の鎧を突き抜けて殺せる。
味方兵士の方が少ないけど、徐々に押し始めている。
戦車は側面に設置してある堀の穴やオリハルコンの柵に阻まれて上手く動けない。
前方の敵兵士は味方の勢いが凄くて後退している。
此方は負傷してもポツンと備え付けてある後方のテント近くに戻ると全回復して、また戦場へ参加出来る。
テントの中には、小さな覗き穴から俺が見ていて味方兵士を回復させている。
戦車がまた地雷原の手前に戻って、押し始めていた味方兵士の前に立ち塞がる。
此方は無理せず少し戦闘してから、また後退する。
戦車は数時間も動いたら燃料が切れそうなのか、味方兵士を追わず近付いたら爆発するオブジェになった。
動かない戦車にガソリンをかけて燃やした。
熱までは対処できないのか、戦車から人が飛び出して来て放棄したり、中で死んでいた。
敵はどんどん後退するようになり、敵本陣の近くまで此方が攻めている状況になった。
深い場所まで味方兵士が攻めていると、敵の残り兵士が全て投入されてきた。
敵の人数が一気に増えて此方は深く攻めている分、側面にも敵が押し寄せてきて、此方を包囲する様な状況になりそうだった。
更に投入された兵士の中には剣聖や拳神等の1人で何百人も相手に出来そうな人達が混ざってきた。
物凄い威力のスキルは戦車よりも強い衝撃と爆風で、オリハルコンの装備なんて意味ない程に一撃で殺してくる。
敵の主力の勢いは凄くて、リベルさんでもセンベーさんでも、死なない様に戦うのがやっとみたいだ。
長山さんが全軍撤退の合図を出す。
包囲される前に自陣地まで退却する。
逃がすまいと敵兵士、敵の有力な戦士達が襲い掛かってくる。
敵本陣の近くまで攻めていたから、自陣地に戻って回復して貰う事も出来ずに、味方が殺されていく。
味方の退却は悲惨なものになっていた。
これが偽装とは思えない程に味方は殺され、敵は凄い勢いで突撃してくる。
センベーさんやナチャチャさんが心配なので、もう助けに行こうかと思っていたが、
長山さんが「合図のあるまでは決して前に出ないで下さい」という指示を我慢して我慢して守っていた。
味方は撤退では無く潰走という状態で、自陣地よりも更に後方へ次々と逃げていく。
俺はテントで隠れながら味方を回復して上げてたけど、回復して貰った味方兵士は踵を返して戦闘に参加という事はせず、
そのまま逃げ続けている。
自陣地の側面には堀や柵があるせいで、追っている敵兵士の正面の密度はどんどんと上がっていってる。
長山さん
「佐藤さんリベルさんが最後方です」
「その先は全部敵兵士です、貴方の力で私達を助けて下さい」
多分まだ戦っている味方兵士も居るだろうけど、リベルさんを確認した後に俺はテントから出て、
眼前にいる沢山の兵士達へ悪夢を見せる。
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