第99話 戦場への移動
季節は夏に入る頃だけど南の大陸は少しだけ寒い。
長山さんの敵を1箇所に集めて殲滅する作戦を知らされた人の中には、反対する人も結構居た。
色々な意見があるけど、力の差を見せつけて和平に持ち込むだけで、有利な交渉が出来るんだから、無用な殺生は止めようという意見は多い。
最後のオリハルコン船で一緒に来た人達は殲滅する事に賛成だけど、他のオリハルコン船で来て奴隷にされていた人や、南の大陸に転移して来た日本人は皆殺しにするのを嫌がった。
長山さんの「大陸を1つの国にする為に、今回は徹底的にやります」と言って無理矢理纏めた。
実際に大量に人を殺す俺へ、直接来て説得する人も多かった。
「佐藤さん何十万人もの人を殺したら後悔しますよ」
「佐藤さん同じ転移して来た日本人でも、無理矢理参加させられている人も居ます、全員殺すのは止めませんか?」
「佐藤さん力を好きに使えば神から罰をいつか受けますよ」
最初にいきなり海岸で襲って来たのはシャーザ国の兵士と、職業を持った日本人だったからね。
此方も和平交渉をしなかったけど、シャーザ国も和平交渉をしに来なかったからね。
お互いに殺される場へ出て来たんなら、殺して良いだろ。
俺だって相手のスキルで死ぬかもしれないのに、まるで俺だけ大量に人を殺すと思われてる。
街や砦に残る僅かな人数以外は全て戦場になる盆地へ集結した。
ナチャチャさんも戦うけど、センベーさんにはナチャチャさんを守ってくれる様にお願いした。
センベーさん
「ナチャチャさんや戦闘が得意じゃ無い人は、僕が頑張って守るよ」
「アイスさん、生きていつものアイスさんのままで居てね」
ナチャチャさん
「沢山の魔物を倒して強くなってるよ!自分と周りの人を守る為に戦うよ!」
長山さんも今回は戦うみたいだ。
初めてこの人の戦いを見る。
リベルさんは撤退の時の殿を務める。
リベルさん
「アイスが戦い易い様に、敵を挑発して引き付けるからよ、後は任せた」
「相手の強さを思うと手が震えてるぜ(笑)」
昼頃に盆地へ入っていく。
シャーザ国の軍隊は4キロ程先に、もう陣を敷いてるみたいだ。
長山さんが言うには「他の5カ国が盆地に入るまで戦闘は無いでしょうし、今日はゆっくり休んで下さい」と言っていたのでテントの中で休んでいる。
俺のテントの周りは、リベルさんを始め沢山の強者が見張っている。
外でオリハルコンは使うとバレるので、テントの中だけ見えない様に張って睡眠を取る。
夜は早く寝たから明け方には起きた。
長山さんの話では向こうも6カ国全ての軍が盆地に入って、準備をしているみたいだ。
長山さん
「朝食を取ってから、お互いに動くと思いますので、4時間後に戦いの火蓋が切られると思います」
「終わった後も時間を掛けずに他の国へ攻め込みますので、寝る時間は余りありません。佐藤さん眠くなくてもギリギリまでゆっくり休んでいて下さい」
長山さんが呼ぶまで俺はテントで寝ていた。
緊張もして無いし、もしかして戦闘が終わった後にはスキル欄に変化があるんじゃ無いかと、
俺はワクワクしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます