第75話 大陸からの離脱
船は5本の巨大なマストに帆も用意してある、何百人が一斉に漕ぐ事が出来るオールも沢山付いている。
それに一年は補給しないで航海できる食料と物資を積み込んでいく。
南の大陸の大雑把な地形や国は、ほんの僅かな漂着者や航海してくる人達の情報で伝わってくるけど、殆ど情報が無いようなレベルらしい。
普通の船だと南の大陸へ渡るのは1%の確率も無いと言われてるが、ここまで大きい全てオリハルコンの船は今まで無かったから、全員無事に到着してると思いたい。
水魔法や回復魔法を使える人みたいな重要な人達は船毎に分けて偏らないよう配置して、
同じ民族だけが同じ船に固まらないようにも配慮する。
長山さん曰く全ての船が南の大陸に着くとは限らないから、らしい。
船が出来る度に出航していく。
俺が睡眠時間を削って船と物資を用意しても、4日間は1隻を用意するのに掛かってしまう。
作った船を停めて置ける場所も限られているから、全船で一斉に大陸を目指すのは無理だ。
季節は夏になり予定の半分以上の船が出港して行った。
日増しにスタンピードの勢いは強くなる。
魔物が多過ぎる時は城壁外に俺が出て数時間の間、全力で見える場所、その全てを火の海にする。
船を作り南の大陸へ出港している事を聞きつけた避難民が集まって来るので、船作りは当初の予定よりも沢山作らないといけなくなっている。
沢山の知らない国から来た人達が増えて、城壁内は色々な言語が飛び交って混乱している。
それでも長山さん達が頑張って南の大陸へ渡れるような人員配置を考えて、船を出航させて行く。
冬に出航するのはリスクがあるらしいので、本当は避けたかったけど無理そうだ。
秋になると1番嫌だったドラゴンも襲って来る様になった。
空から攻撃してくる魔物の対処は難しい。
他にも城壁の壁なんて40mはあるのに乗り越えて来る魔物も増えてきた。
船に順番を無視して乗り込もうとする人達、戦えるのに船に乗り込もうとする人達、
この状況で自分勝手に行動する人達を見ると嫌になる。
センベーさんやリベルさんみたいなダンジョンボスと対等に戦えそうな人でさえ、何度も大怪我で回復しないといけない状況だ。
長山さん
「もう残ってる人数も少なく守るのは無理なので、次の船で全員脱出しましょう」
まだ2万人近く残っているけど、もう長山さんの判断でも持ち堪えるの無理なんだろうな。
『分かりました次の船を最後に脱出しましょう』
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