第74話 退避の決断
ダンジョンを破壊すると逆に増える現象は他でも確認されていた。
通常のダンジョンは一度破壊すると、次に周辺から現れるのは早くて1年後、遅いと何十年後らしい。
一度はスタンピード撃退に成功した、ルーガ帝国も結局はダンジョンの増殖により滅亡したみたいだ。
他の東にある国々も一度や二度はスタンピードを、終わらせる事が出来てもダンジョンを破壊して、増えたダンジョンからのスタンピードで何処も滅亡したか、国を放棄して逃げ出してる。
長山さん
「佐藤さんが居るお陰で国を守れたとしても、大陸中の国が全て滅亡したら、全ての魔物が此処に来ます」
「今は生存する事は出来ても、佐藤さんが居なくなれば滅亡しかありません」
「今の余裕ある現状だからこそ、海を渡って南の大陸へ退避しましょう」
誰も海を渡って南に行く事へ反対する人は居なかった。
全員ほぼ毎週、場合によっては毎日襲って来るスタンピードに疲れ切っていた。
現在プロトマト国の首都オーサイには約30万人が住んでいる。
全員で海を渡る。
普通なら無理だけど、タンカーぐらいあるデカい船を俺が作り、5000人ずつ乗船して60隻近く作れば全員が南の大陸へ行ける。
時間が無い、刻一刻と各国が滅亡していって日増しにスタンピードの勢いがキツくなる。
街の城壁を南に伸ばして少しずつ全員で海岸まで移動していく。
俺は忙しくて身体は回復魔法で回復してても、精神的疲れは溜まってはいる。
でも急がないと避難するのさえ無理そうだ。
とにかく2ヶ月近く時間を費やして、海岸まで城壁を伸ばす事が出来た。
長山さん
「佐藤さん大変だと思いますが、船の設計図を用意したので作成お願いします」
『分かっています1日も早く大陸から脱出しないと、俺だけじゃ防げない魔物の量になりますから』
船を作り始める頃にはスタンピードの魔物に、一部ダンジョンボスだった魔物も含まれてきた。
コカトリスとか弱いと思ってたけど、俺以外で対処して貰うと大量の人間が石化してた。
回復魔法で石化を治せたが、俺以外は石化を治せないので寝る時間さえ無くなる。
俺が船と食料、資材を用意する間は、皆んなが魔物の攻撃を防いでいる。
急がないとマジで急がないと、空を飛んでドラゴンとか来たら、俺が助けに行く頃には死人が沢山出てしまう。
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