第73話 破壊の後

次のダンジョンも洞窟型だったので、前回と同じ様に俺が倒してボスまで突っ走る。

ボス部屋には電柱と同じ高さの一つ目の巨人が居た。

サイクロプスらしい、手には重そうなハンマーを持っている。

俺が近付く前にスピードある動きでハンマーを振り下ろしてくるが、凍らせて複数の炎の槍で串刺しにする。


奥の扉が開いてダンジョンコアが見える。


山根さんが指示して俺を除いた全員でくじ引きをする。

日本人の1人が当たりを引いてガッツポーズをして喜んでいる。

だけどコアを破壊しても、強くもならないしスキルも魔法も手に入らなかった。


日本人は全員意気消沈してた、コア破壊は異世界人だけのくじ引きで決める事に決まった。


山根さん

「もしかするとコアを破壊して魔力の限界値が伸びてる可能性もありますが、検証するのは難しいですからね」

日本語で山根さんが喋ったから異世界人には聞かれたくないんだろうな。


俺達は17ヶ所、全てのダンジョンを約3ヶ月という短期間で全部破壊した。

途中でエリアをワープするダンジョンがあったので、それはかなり苦戦した。

ダンジョンに入ると見える場所が全て砂漠とかジャングルとか、次のワープを探すのに手間取ったりしたけど、

ボスは全て問題なく俺1人で倒せた。

ドラゴンを倒した時に手に入る心臓は、エリクサーの材料になるそうなので、荷物になるけど持ち帰った。

その他にも一部のレアアイテムは貴重なので持って帰る事にした。

「アイス以外は荷物持ちだな」と皆んな笑いながら自虐してた。


プロトマト国の首都オーサイへ久しぶりに帰還する。

全員がダンジョン攻略が終わった事で笑顔の帰還だ。

異世界人はスキルや魔力が増えたり、身体自体が強化されたりで一部の人は相当嬉しそうだ。

リベルさんも一回ダンジョンコアを破壊したので、スキルが格段に強くなったらしい。

「オリハルコン級冒険者になったかもな」

ニヤニヤと呟いている。


首都が見えて来ると、大量の魔物に襲われていた。

冒険の最後と気合を入れて、魔物を俺が近付き全て倒す。


全ての任務が完了した俺達は、城門から出て来て迎えてくれた、

長山さんやナチャチャさんに挨拶する。

だけど迎えてくれた人達の顔は悲壮感が見える。


長山さん

「ダンジョンを皆さんが破壊してくれたのは、こちらでも確認できています」

「しかし破壊した直後にダンジョンが分裂して増えてるのも確認してます」


俺達がダンジョンを破壊する度にダンジョンは倍以上に増えていた。

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