第21話 作戦変更

俺のスキルを全部公表してからシャルパックとの戦争は大きく作戦変更された。


当初は外交官を拘束、怒って村を襲って来た部隊を村の指定ポイントに貴金属宝石等で誘導、村を火の海にして殲滅。

怒り狂った敵本体を西の砦で対応、更に奥へ伏兵を用意して敵が撤退しないように戦うのが基本だった。


それに必要だった武器、マイナス70度に耐えられるスノーモービルという難易度高い乗り物を作る、通信ケーブルやら色々な物を半年で用意するつもりだった。

ギリギリの挑戦だったはず。

情報伝達が異世界では無線や電波は何故か使えないけど通信ケーブルは大丈夫だったそうだ。



戦争は思ったよりも早くなった

当初は来年からだった壁作業も12月から開始になった。

予定の武器生産も12月に入ろうとする頃には遠く300メートル先を攻撃出来る大型バリスタやクロスボウの生産が始まった


ジャガイモ村の作戦はシンプルになった、

俺が壁を作って領地を増やしていくだけ。


ジャガイモ村は高さ20メートルのオリハルコン合金壁が張り巡らされた、

城壁都市に変わった。

確認したらオリハルコン合金はどんなに熱しても溶かそうとしても破壊しようとしても現状は壊れないみたいだ。

職人さんが

「これを加工するのさえ佐藤さんじゃないと無理だ」


前はブサイクな形しか生成出来なかったけど、今は設計図と型枠を専門の人が作ってくれるので、

俺は型枠が用意された所にオリハルコン合金を流して固定させるだけで良くなった。



シャルパック国、皆んなは蛮族と呼ぶようになってる人達は、

壁が完成した次の日には攻めて来た。


「人じゃなく馬を狙え!」


「負傷したら少しの傷でも直ぐに下がれ」


「相手の矢は届いても高低差で威力が落ちてる恐れるな」


俺は今、負傷した人の治療を村の中央でしてる

『治りました、どうぞ、次』


「一瞬で治った異世界とんでもねぇな」


「ありがとう昔からの腰が痛いのまで治ったわ(笑)」


「佐藤さん矢が少なくなってきた、作って貰えるか?」


『分かりました、型枠をこちらに下さい』


「筋力強化魔法を使った野郎の矢が首に直撃した」

「意識が無い!息もしてないんだ治してくれ!」


『すいません亡くなられてます、俺ではもう治せません』


「そうか、」


俺は亡骸に手を合わせて合掌した。


「司令官!」

「南側!梯子を掛けて城壁を一部の蛮族が登ってきました」


「近接戦闘の主力!南に急げ!」


「南側の城壁へ登った蛮族に蛮族王ヴァルガ発見!」


「奴の筋力強化が切れて撤退する前に矢を集中して殺せ!」


結局3時間後にシャルパック国は撤退していった。

ヴァルガを殺す事は出来なかった。

蛮族王ヴァルガは13の部族を2年で従えシャルパックを建国した化け物だ。


初めての戦闘でジャガイモ村は23人が亡くなった

あれだけの猛攻で死者が少ない事を五十嵐村長は佐藤さんのお陰ですと言っていたが

あの壁があって、俺の回復魔法があって、23人も一度に亡くなる事に俺は、、、

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