第20話 打ち明けるスキル

戦争をする時期は来年の冬になってからの予定だ。

ここの冬は過酷らしい、何故この地域に人が少ないのかは冬になると気温マイナス30度以下になる予測だからみたい。

隣の異世界町ナルヒーは本格的な冬になると半分以上の人たちがシャルパックの首都に移り住む。

ここから西の地域はもっと寒くなり、予測ではマイナス70度にも、なるかもしれないと。

今年の冬を体感してから実際の細かい作戦を決めるらしい。


俺のスキル全部を打ち明けたら別の作戦を考えて貰えるんだろうな。

センベーさんやマンジュウさんと試して考えても全く未だに使えない一部のスキルだって、

あの人達に相談したら使えるようになるかも知れない。

そしたら俺は益々大事にされて村から一生出られないまま人生を終えそうだ。


俺はもう47歳だ。

異世界冒険を元気で楽しめるのも10年無いかも、マンジュウさんのように突然死もある。

この世界でせっかくチートスキルがあるんだから色々と回って冒険したいなぁ。

今現在、分かっている異世界情報が纏められたノートパソコンをずっと見ながら、

俺は、この村の人達を思うのと別に、冒険したい気持ちがひしひしと湧いて来る。


1日休みを貰って何だかスッキリしたし、気持ちが顔を洗った後のようにサッパリしたような気がする。

スキルは打ち明けよう、

ここに地球人が幸せになる国を作る手助けは、しないといけない。

異世界に突然来て地獄のような生活を送ってる人を助けられる国は、無いといけないよな。


そして俺無しで生活出来るようにして貰おう、


俺は冒険に出る!


数日後、五十嵐村長や他の組織委員の人達に了承を取って、

俺は色々な情報をセンベーさんに打ち明ける準備をしていた。


ジャガイモ村で俺とセンベーさんは2人で住んでる。

普通だったら仕事を割り振られて週5日は働かないといけないけど、

そういう作業は全て免除されてる。


ただ俺は毎日2時間以下のネット通販スキルを使った商品の受け取りを、

センベーさんも自主的に北の魔物がいる森にキノコや木の実、木材を取りに行く時は、

索敵スキルを使いながら手伝いもしてる。

それでもセンベーさんも週2しか働いてない。


俺達2人は食事も作って貰える家事もして貰える実質ニートなんだ。

家事を初めの頃は若くて綺麗な女の子がしてくれてたけど、家に居られると落ち着かないと五十嵐村長に頼んで、

異世界に来てしまった年を多く迎えてる女の子を、と頼んだ。


五十嵐明美さんは年齢58歳、五十嵐という名字だけど五十嵐村長とは無関係で転移してきた。

分かりにくくなるので、俺達はアケミさんと呼んでる。

アケミさんは2秒しか使えない潜伏スキル使い。

潜伏スキルは存在を限りなく薄く出来る魔法。

彼女は実質的にスキルが使えないので、家事や洗濯、料理を南の村でしてた。

そして2ヶ月前からジャガイモ村に引っ越してきた。


旦那と31歳、29歳、28歳のお子さんが居る主婦だったのに、気付いたら異世界に1人で来ていた。

俺達の世話という悲しい仕事なのに明るく、時には怖い彼女には本当にありがとうしかない。


アケミ

「大事な話なのに私も一緒でいいんかい?」


『他の人にも了承は取ってあるので大丈夫です。これからの事をアケミさんにも聞いて貰いたい。』


センベーさん

「アイスさん僕はここから逃げ出す時も君と一緒にアニメDVDを持って付いて行きたい」


『センベーさん嬉しい事を言ってくれてるけど、早とちりしてると思うよ』

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