『ジラ❗執行ワールド』 第8夜


 囚人たちの頭の上の天井が開いた。


 そこから、でかい、4枚歯のスクリューみたいなものが降りてきたのである。


 ビョータンが良く見れば、それは、明らかに鋭い刃を備えていた。


 『ジューサーミキサー』の、でかい刃が、上から現れたようなものだ。


 『あんなものに掻き回されたら、たいへんだ。よし、ちょっと意地悪してやろう。』


 ビョータンの意識は、電源パネルを見つけ出して、スイッチを落とした。ついでに、モーターの電線を切断した。


 あたりは、真っ暗になったが、すぐに、薄明かりが入った。


 『あー、みなさま。ご安心ください。演出ですから。』


 司会者が笑いながら言ったのである。


 客たちは、凍えるように笑った。


 ヤー・マー・シーンは、しかし、絶望的な気分である。


 『中世の八つ裂き刑よりたち悪いな。悪趣味だ。』


 『まったくだ。』


 隣の男が言ったのである。


 かれは、たぬき小僧。


 宇宙を又に掛けた、大盗賊である。


 『頭から切られた方が楽だぜ。』


 『だって、動けないです。』


 『まな。ははははははははあ。』


 たぬき小僧は、けらけらと笑った。


 『あんた。なにした?』


 『なにも。うどんを食べて、咳払いしたら捕まりました。国家反逆罪とか。』


 『なんとまあ。あわれな。おいらの子分になれよ。』


 『はあ? 時間切れです。』


 『こういうときはな。助けが来るものだ。』


 

       👲👲👲👲👲👲👲


 


 


 

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