『ジラ! 執行ワールド』 第7夜


 祝賀会が始まった。


 処刑される人たちも、真ん中のでっかい、透き通った、蓋をされたテーブルに着いている。


 最後の食事というわけで、量は少ないが、結構豪華なメニューが提供されている。


 しかし、いわば、これは、見せしめである。


 罪人どうしで争うところを見たいらしいし、以前はそうしたこともあったらしい。


 だから、多少、鎖には余裕があった。


 しかし、情報が行き渡ったいま、また、意味不明な政治犯が増えているし、そんなばからしいことをする人はいない。


 もちろん、泣き崩れている人もいる。


 男女などの区別なく、鎖につながれて、座らせられている。


 極めて残酷である。


 処刑方法は、公表されていない。


 だから、その時にならないとわからない。


 うどんを鼻につまらせたため、逮捕された、ヤー・マ・シーンもいた。


 ビョータンは、客席である。


 『こりゃ、なんだ。いささか、ひどいな。』


 さすがに、身勝手で尊大な神様も、眉をひそめた。


 となりの、いかにも富豪というようなおじさんが、ビョータンにささやいた。


 『罪人たちをどう処刑するかが、みものですな。』


 『あー。たしか、残酷な刑罰は、自粛するように世界連合が言っていましたな。』


 『それは、かなり、むかしのことですな。すでに、無効ですよ。ははははははは。』


 一番離れた席には、修学旅行の学生たちがいる。


 ビョータンは、これが一番、気になっていた。



        🐼


 

 パンダ大王の救出隊は、ようやく、『ジラ』に迫っていたのである。


 『間に合わないぞ。早くしろぱんだ。』


 隊長が、はっぱをかけた。


 

            〰️💣️💥 


 


 


 

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