『ジラ! 執行ワールド』 第5夜


 ジラに、鯛がいるとは、知らなかった。




 ジラの本当の正体は、誰も知らない。


 誰一人、見たことさえないが、ジラというのは、地球の支配者の名称である。


 処刑惑星『ジラ』は、そこから頂いた名前であるらしい。


 ただし、ジラは一切関与していない。


 しかし、人類は、ジラの名において、処刑を行うのだ。


 なぜ、地球人類は、かように、残酷なのか?


 これは、宇宙の謎である。


 ビョータンは、人類を生んだわけではない。


 起源が異なっているらしい。


 ジラが、関わっているのかどうかは、解らなかった。


 しかし、不死のビョータンが不思議なくらいに、人類は残酷である。


 だから、ビョータンは、人類の謎を密かに調べていたのだ。


 ジラが何者か、ビョータンも知らなかったから、こいつは、大変に重要問題であったのである。


 伝説では、ジラは、闘わずして、地球を支配した。ビョータンもまったく知らないうちにだ。


 地球の支配者であるはずのビョータンには、つまり、ジラは敵であるはずだが、まるで、姿も見せず、闘いにもならないのだ。


 『人類は、なんで、こんなに、残酷になったのか? 本来が、そういう、性質なのか? それとも、後天的なものか? ジラの、せいか?』

 

 人類とのハーフである、悪キユウレイは、その残酷さを受け継いでいるのか?


 ようするに、ビョータンは、かなり、悩んでいたのである。

 


  🐼🐼🐼🐼🐼🐼🐼🐼

 


 

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