『ジラ! 執行ワールド』 第3夜


 大神ビョータンは、瞬間移動ができる。神様だからね。


 したがって、次の瞬間には、ビョータンは、すでにジラにいた。


 しかし、わざわざ、変装し、処刑を見学に来た、大富豪『旅人ジーサン』と名乗った。


 そこは、神様である。


 ジラの、独立内部秘密コンピューターは、実は『旅人ジーサン』の正体は、地球政府の隠密、と、密かに認定したのである。


 この、コンピューターは、シポク大佐が設計して、構成したもので、地球政府は関知していない。


 しかも、その正体を、けして語ってはならないと告げてきた。


 つまり、『旅人ジーサン』は、ジラの内情を探りに来た、地球政府の秘密監察官である、と、コンピューターは告げたわけだ。


 うそである。


 しかし、つまり、神様にできないことは、ないわけだ。


 その、はずであった。


 また、『旅人ジーサン』は、大金の滞在費を、すでに、前払いしていたのである。


 だから、『旅人ジーサン』は、手厚くもてなされた。


 

     👴👴👴


 『悪キユウレー』たちは、そんなことはつゆしらず、宇宙ミサイルを発射したのである。


 光速の半分くらいで飛んで行くのだ。


 太陽系内の最果てであるジラにでも、わりに、すぐに、到達する。


 ジラの科学主任で、副所長である、シポク大佐さんは、非常に優秀であった。


 『所長、地球近傍から、飛翔体が来ます。光速の50%。すぐに着弾する。』


 『バリヤーを張れ。』


 クーカ所長が叫んだ。

 

 所長は、残忍なことでは、人後に落ちない人である。


 相手が誰だろうが、隙あらば、すぐ、喰ってしまうような人物である。


 しかし、実は、管理者としても、かなり優れていた。


 ただし、多少、一直線な性格ではありながら、勘もかなり鋭く、自分が不利になることは、けしてしないのである。


 『旅人ジーサン』の報告も、すでに受けていた。


 が、シポク大佐は、実は、いささか『旅人ジーサン』を疑ってはいたのだが、慎重にも口には出さなかった。


 『バリヤーはすでに稼働。しかし、これは、バリヤー破壊型宇宙ミサイルですな。このようなものは、『悪キユウレー』しか、もちませんが。』


 『まさか。あり得ない。仲間内だ。』


 『しかし、対処不能です。これは、いわゆる、ミスかもしれませんが、その内容如何に関わらず、年貢の納め時ですな。』


 『迎撃せよ。』


 『早すぎて、さらに、回避力が強すぎで、ここの武器では、対応できません。』



       🚀


 

 ぱんだ大王の、『やましんさん救出部隊』は、ミサイルの後を飛んできていた。


 ぱんだ属は、独自の自治権を維持する、優れた地球生命体である。


 科学力も高い。


 その宇宙船は、光速の45%くらいで、宇宙を飛行する。


 人類より速いのである。


 でかぱんだ隊長が、救出部隊を率いていたのである。


 彼も、かつて、やましんさんちに住んでいたことがある。


 ぱんだ大王とは、盟友であった。




     🐼   🐼

 


 


 


 


 


 


 


 

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