『ジラ! 執行ワールド』 第2夜


 担当の看守さんは、ヤー・マ・シーンに言ったのである。


 『きさまは、社会に甘えている。自分は苛められたと思っているかもしれないが、それは、違う。社会は、きさまに試練を与え、鍛え、社会に役立つ人間になることを期待していた。そのやりかたは、人によって変わるのだ。一律ではない。人は、各自の要求に答えることで成果を認められる。きさまは、なんの成果もなかった。ここでは、それを、思い知らせるのだ。死をもって、答えよ。』


 『ラーメンとなんの因果関係があるのです? ぼくは、ラーメンを食べていただけだ。』


 『きさまは、首相閣下を嘲った。それだけで、死刑に値する。』


 『そんなことしてない。冤罪です。』


 『刑は既に決まった。きさまは、罪を償うだけだ。』


 『償ったら、赦される?』


 『まさか。決まったことは、変わらない。』


 『死刑して、なにを償えと?』


 『命をもって、社会に貢献するのだ。有り難いと思え。』


 『これ自体が、いじめです。』


 『きさま。まだ、逆らうか。わが社会に、いじめなどない。あるのは、おろかな、罪だけなのだ。』


 『あなたは、罪は犯していない?』


 『あたりまえだ。だから、この職にある。罪を犯していたら、ここにはいない。ここにあることが、証拠なのだ。』


 『でも、先生も、いじめはしたよ。あるいは、黙認した。できる生徒は、大切にした。課長さんも、部長さんもそうだ。』


 『それは、いじめではなく、試練だ。』


 『試練と、いじめは、なにが違う。』


 『根性が違うのだ。』


 『は?』


 『そもそもの、根性が違う。社会や、会社に役立つ崇高な意思があるか、ないか。指導者、校長、社長、市町村長などに、きちんと従う崇高な意思があるかないか。それに従い、ひたすら、もくもくと、働く意思があるか、ないか。きさまには、ない。』


 『ラーメンと、どこに関係があるの? ぼくは、そんな罪は背負ってない。ラーメン食べたときに、不敬な行為があったというが、それは、なに?』


 『すでに、決まったことだ。』


 話しは、まったくの、平行線である。




 しかし、悪キユウレーたちは、すでに動いていた。


 超小型メガトン級核融合爆弾は、もう、完成したのである。それは、早くも、発射の段取りになっていた。



 ぱんだ大王は、『やましんさん救出部隊』を編成した。(実際は、やましんさんではない、パラレルワールド体であったが。)



 また、不死の、大神ビョータンは、部下を信用できず、自ら、ジラ、に乗り込み、執行惑星を機能不全にするつもりになったのである。


 そのため、火の神様である、ローギーを召喚したのである。


 ローギーは、そのとき、金星で、休暇中だったので、かなり、不満だった。


 休日出勤手当と、さらに、50%の割り増し賃金を要求し、ビョータンに、受け入れられた。


 ビョータンは、ローギーがいないと、ひどく、不安だったからだ。


 指導者は、孤独なくせに、さみしがりやなのだ。



      😡

 


 終わらなくなってきました。


 しっこも、止まらない。


 どうなるのか?


 


 

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