タイトル『運び屋ロブ』 作者:maimai-jp

異世界ジャンルで2023年9月28日付けで2位の作品であ〜る。

まずはなぜ人気なのかタイトルから考えてみよう。


『運び屋ロブ』

 しょうゆ味のらーめんぐらいにあっさりしている。

 長いタイトルよりも短いタイトルの方がぼくは好きだけど、ココに人気の秘訣はあるのか?

 運び屋、というのが人気なのか?

 この言葉だけで空間収納と紐付できるのか?



 ガガガ文庫で出版されている『最強色竜騎士から初級職運び屋になったのに、なぜか勇者達から頼られてます』というタイトルがある。(オーディオブックで聞きました)

 その本の中でも空間収納は使われていたような気がする。


 運び屋=初級職+空間収納

 と紐付けされているのかもしれない。

 間違えていたらしゃーません。


 タイトルにはマイナスなこととプラスな事の2つの要素が入っている事が大切なんじゃないか、と最近のぼくは思っている。

 運び屋という言葉の中に、初級職と空間収納という言葉が隠されているなら、マイナスなこととプラスの事の2つの要素はクリアしている。

 初級職というのは底辺を意味している。つまりマイナスなこと。

 空間収納というのはチートスキル。つまりプラスなこと。


 ロブというのはロングボブの略称で長めのレングスのボブのこと、とグーグル先生に検索をかけたら、そんな事を書いていた。髪型のことらしい。絶対に違う。


 たぶん記録とか、そういう事なんだと思う。log。


『初級職で空間収納ができる転生者の記録』

 というのがタイトルから読み取れる訳である。


 それでは次にキャッチコピーにいきますか。

『希少スキル『空間収納』を引いたと思ったら……工夫でさらに化けまして。』


 ココで空間収納という言葉が使われている。

 しかも化けた、と書かれることによって、どう化けたのか期待値を高めている。

 それより何より、ぼくが引っかかったは、『引けた』という言葉のチョイスだった。

 スキルをガチャ的な要素で『引けた』と表現する。

 手に入れた、では無く、『引けた』なのである。

 これはつまり転生後すぐに手に入れていたスキルという事を意味している。

 それに『引けた』と表現するのは、転生者にはチート特典が1つはあり、それがガチャ的要素であるみたいな表現の仕方である。

 つまり紐解けば、転生者にはチート特典があるのだろう、と思っている主人公の言葉である。

 なぜチート特典があると思っているのだろうか?

 

 異世界系の作品を読んでいる主人公である事が示唆しさされている。


 異世界系の作品を読まずに向こう側に行った主人公は『引けた』と表現しないのだ。そもそも、その言葉のニュアンスが出てこない。


 異世界系の作品を読んでいる主人公という事が『引けた』という言葉の中に詰まっているでゲス。

 

 次に異世界系の作品を読んでいる主人公、というのが作品の内容にも関わって来る。

 つまりムーヴ的な要素が詰め込まれているのである。ムーヴというのは定番の立ち回り、という事を意味している。

『引けた』という言葉だけで、この主人公は異世界作品を読んでいる主人公ですよ、異世界作品を読んでいるのでムーヴ的な要素も詰め込まれていますよ、という事を示唆しているのだ。

 

 読む前に、そう勝手に解釈して1話を読んだ。


 転生の仕方は独特だったけど、実は一番秀逸だったのは1話目で異世界作品を読んでいることを示している事だろう。1話目で異世界作品を読んでいる事を示してくれたおかげで、自分のなんとな〜くの解釈が合っていたことと、これから、この作品の楽しみ方がハッキリとわかるのだ。

 この作品では定番の立ち回り方を楽しむ。

 その誤差というか、ズラし方すらも楽しむ。

 どんな事をやらかしてくれるのかを楽しむ。

 楽しみ方がわかれば読者は読みやすいのだ。



 ぜひぜひ面白いので読んでください。

 そしてmaimai-jp先生、勉強させていただきました。(土下座)

 ありがとうございました。



作品のリンクも貼っておきます。

https://kakuyomu.jp/works/16817330649567800203



 


  



 

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