第22話 希望反転 ①

 そして、約束の三日後になった──


「休みが取れて良かったね、アオイ!」

「えぇ、そうね!」

 私はアオイと共に湖へと向かった。


「でも、一日だけしか取れなかった事は残念ね~」

「そうよね……アオイはもっと休んでも良いと思うのに……」

 ミツキが暗い顔をしたために、ヤバい!とアオイは感じたがどうすることも出来なくなった。


「そ、それよりも、もうすぐ湖に着くみたいだけど待ち合わせ場所とかは、決めてるの?」

 なんとか話題を変えようとアオイが問いかけた。


「えっ……と、特に決めてないわ……!」

 ミツキが言い終わる直前に脇の木の陰から何かが飛んできた。

 それは小さな紙の塊であり、飛んできた方向に目を向けると、ロキが木の陰に隠れていた。


「やぁ、ミツキ……と、ちゃんとは初めましてですね、アオイさん!」

「ロキ!何飛ばしてるの!」

 ミツキが紙の塊を拾いながらロキを睨む。


「まぁまぁ、ロキ君はなるべく危なくないようにソレを投げてくれただけでしょ、こちらこそ初めまして、ロキ君!」

 アオイはミツキを宥めながら、ロキに挨拶をする。


ミツキは少し不満げな表情をしてから、ロキに向き直る。

「久しぶり、ロキ!」

「あぁ、久しぶりミツキ!」

 柔らかい笑みで返すロキ。


「微笑ましいわね~!」

 アオイがニヤニヤしながら二人に言うと、先ほどまでの柔らかい表情をして挨拶をしていた二人の動きが見事に止まる。


「気にしなくて良いわよ!二人の時間が終わった後に、少しだけロキ君と二人っきりで話したい事があるの!それまで、お邪魔虫は少し離れるわね!」

 アオイが艶かしい表情で少し意味深な発言をしてから、笑って少し離れることになった。


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「あ、はは……」

「え~と……」

 アオイが離れたタイミングでロキとミツキはお互いに見つめあった状態で乾いた笑いをこぼす。


「ごめんね、アオイがどうしても今日来たいって言って……」

「それは少し驚いたけど大丈夫だよ」

 ミツキの歯切れの悪い言葉にロキは笑って答える。


「とりあえず、今は戦いとかは忘れて話そうか!」

「そうね!」

 そして、時間にしておおよそ一時間半の間、二人で語り合ったのである。


             続く

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