第21話 交渉

──sideアオイ──


 ──翌日の夜


「そろそろ休みが欲しいのだけど!」

 いつもの場所でアオイが不気味な笑みを浮かべる、男と対峙していた。

「おやおや、アナタがそんなことを言ってくるとは、何かあるのですか?」


「(悟られてはダメ!)しょうがないじゃない、私にも体調があるのだから!」

「ふむ!そう言われると、しょうがないですね……では、代わりを用意してもらわなくては……ね!」

 男は反吐がでる程の満面の笑みで要求するのだった。


(コイツ、本当にクソ以下ね!)

「代わりを用意するのは無理ね!」

 アオイが睨み付けながら、男の要求を却下した。

「おや!アナタの近くにいるでは在りませんか?代わりにうってつけの人が……」


 男は驚いたようなリアクションをとりながら、アオイに言う。

「誰の事を言っているのかしら?」

 アオイも男の要求する人物が容易に想像出来たために、はぐらかすことにした。


「わかってらっしゃるでしょう?」

 男が口角を上げながらの作り笑いでアオイに問いかける。

「わからないわね!」

 アオイは、それを一蹴するように言う。


「おやおや、名前を言わないといけませんか?」

 さらに男が問う。

「名前を言われてもね……」

 なんとか、男の言葉に応じないようにアオイは言葉を返す。


「強情ですねww」

「何のことかしら?」

 男の言葉に肩を竦めながらも、アオイは気を緩めない。


「名前を言ったら心辺りはあるでしょう」

 それでもしつこく追求しようとする男。

「そんなことより、私にも休みが必要なのだから、そこは肯定して欲しいわね!」

 アオイはイラつきながらも、話の主旨を戻す。


「はあ~、しょうがないですね……では、明日だけ休みを与えましょう」

 男が、やれやれといった感じで言う。

「明日だけなの?」

 内心ガッツポーズをしながらも、アオイは後一日だけもぎ取ろうと聞いてみた。


「おや、一日だけでも喜ばしい事ではないでしょうかww……それとも、いらないので?」

「……ッ!わかったわ、明日一日は休ませてもらうから!」

 男の言葉にイラつきがありながらも、アオイが手に入れた一日の猶予を離すまいと決意する。


「さて、本日もよろしくお願いしますねww」

 それは、アオイがこれから受ける陵辱の始まりをつける言葉……

「……わかってるわよ……」

 諦めの言葉と共にアオイがその場で自らの服を脱ぐ。


「今宵は、人数が多いのでしっかり励んでくださいねww」

 下衆な男の言葉と共に一つの扉が開かれる。

「本当にクソね……」

 アオイが小さく毒づいた。


「何か言いましたか?」

「なんでもないわ!」

 そして、扉の中へと二人は消えていった。


               続く

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