第15話 芽生え

──sideミツキ──

 ロキ女性兵アオイのお陰で、なんとかなったけど……あの司令官の男の気色悪い視線を向けてくる目は、ほんとに嫌になる!


 彼はなんで私を助けてくれたのか、……もう一度『会いたい』と思ってしまう気持ちを隠して、しばらく湖に行けない寂しさを募らせていく。


「ロキ……大丈夫だったかな?……!?////」

 自然とこぼれた言葉に気付き恥ずかしさ出てしまう。

「ナニ赤くなってるの?」

「な……なんでもない!」

 アオイにバレたくないため、顔を会わせずに答える。


「……!!ははーん!」

「な……ナニ?」

 ニヤリと笑うアオイにビクビクしながらミツキが尋ねた。

「さては、彼の事を考えてたでしょう!」

「そ……そんなことないわよ!//////」

 考えを当てられて、余計に顔が熱くなるミツキ。


「そ……それに、私のために大怪我したのよ!に決まってるじゃ……!?」

 そして、ハッ!とする。

「プッ!やっぱりね!」

「アオイ……まさか気付いて……!!」

「あっ……たりまえよ!」

 ミツキの慌てっプリにアオイは親指を立ててウイングをして答える。


「い……いつ……いつから気付いていたの?」

 サッーと血の気が引きそうなほど青い顔をしてミツキが尋ねた。

「えっ?あの現場を見たときから!」

「そ……それじゃ……ロキが生きてたことも……?」

「もちろん!」

 気にならないと言わんばかりのアオイのモノ言いにミツキは動揺を隠せないでいた。


「……じゃ、なんで黙っていてくれたの?」

「あぁ!それは一応の御礼としてだよ!」

「御礼……?」

「そう!御礼!……さて、この話しはこれでおしまいね!」

 手をパンッ!と叩いてアオイは話を終らせた。


「……」(ぱちくり)

「……」(ニコニコ)

 数舜の沈黙がおりてから──


「ねぇ、ミツキはどうしたいの?」

「どんな意味よ?」

「そのままの意味よ!」

 アオイの問いかけに顎に手をかけて、ミツキは考え込んだ。


「ミツキは、そのロキ君?って子のことが気になるのよね?」

「それは、まぁ……」

「どうして?」

「どうして……って言われても、昨日が初めて話しただけだから……わからない……」


 その問いかけに腕を組みウーンと悩んでいるミツキ、その姿を眺めて目を細めるアオイは人差し指をミツキの額に着けて、

「……そう……なら、これだけは教えてあげる!アナタはいつか気付くわよ、アナタに芽生えた……その気持ちの意味にね!」

「気持ちの意味?」

 目をぱちくりさせながら、ミツキは最後の言葉を繰り返した。


「今はゆっくり休んで、身体を治しなさいね!」

 そして、意味ありな表情でミツキを諭す。


               続く

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